♪もしもシリーズ♪
□出会いはいつも突然に。
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「いらっしゃいませ。何名様ですか?」
綺麗な金髪。に似合う綺麗な笑顔。
「あ、ひとり…です。」
「ではご案内します。」
何故かクスリと笑われたけど。
出会いは突然。
天使っていたんだ…。とかイタイこと考えながらウェイターの彼をガン見してた。
注文した料理が彼の手で運ばれてくる間中…ずっと目は彼から離れなかった。
可愛い…。男前なのに…なんか可愛い…。
料理を置かれるその動作も見逃さないようにずっと見てたら
「なんか失礼なことありましたか?」
ちょっと眉を下げて聞く彼にハッとして髪が乱れるのも気にしないでブンブン首を横に振って違います!!と連呼した。
「ではごゆっくり。」
綺麗な微笑みを残して去っていく。
ぶっちゃけ彼が気になりすぎて…味は覚えてない。
帰り際のレジもラッキーなことに彼だった。
お釣りを渡されるときに無駄に意識してお金を落とすという失敗!
一緒にしゃがんでお金を拾うそのときに
「名前、聞いてもいーですか?」
さっきの綺麗な微笑み…じゃなくて、いたずらっ子みたいな無邪気な笑顔。
「な、なかまるゆういちです…」
多分…いや絶対アホ面な俺。
「俺、竜也って言います。また来てくださいね?」
そう言って拾い上げたお金を俺の手のひらに置くと、営業スマイルでありがとうございましたー!と頭を下げた。
俺はドアを開けて外に出てもぼーっとしてたけど手のひらのお金を見つめて決意した。
常連になる!絶対一番の常連になる!
そしてもっと色んな表情見たい!
まだ残る仕事も苦にならないくらい俺はこの出会いにわくわくした。
昼下がりの小さな出会い
だけどきっと運命の出会い。
END