♪もしもシリーズ♪
□小悪魔ちゃんの計画♪
1ページ/1ページ
コンビニの店員をしてる。
毎朝来る若いにーちゃん。
買うものは…毎回違う組み合わせのパンと飲み物。
眠いのか無愛想に見える彼は茶色い髪と白い肌。
男のくせになんか色気がある。
まだ声聞いたことねーな。
そんなこと考えながらレジ打ちして帰る背中を見送った。
「おまえ、毎朝毎朝よく飽きねーな。」
「なにが?」
「コンビニのパンと飲み物!」
俺に呆れたように話かけてくるのは親友の聖。
「別にー!目的は違うし♪」
にへって笑うと聖はブハっと噴き出してそうだったなーってニヤニヤしだした。
「んでー?進展あり?」
俺が買ったパンを横取りしながら聖が聞いてくる。
「進展なんかあるわけねーだろ?まだ今は俺の存在をしっかり認識させる期間中!!」
「へぇ…おまえ、そんなこと考えてたんだ?その期間いつまで?」
「そりゃ、赤西さんの反応見ながらに決まってんじゃん!」
「いつの間に名前を!?」
ワザとらしく驚く聖に冷たい視線を投げる。
「他の店員さんが呼んでるの聞いた!」
「ふーん。だいたいおまえどうなりたいわけ?」
ちょっと真剣な声。
「それはだな!まず俺を認識してもらうだろ?んで話せる仲になる!俺見たら笑顔で手を振ってくれたりするようになったりして!んでんで連絡先とか交換して?飯行こうな?みたいな?やっぱああいう人って…自分が好きになったら多分超まっすぐだと思うんだよね!俺からより向こうから言わせたいんだよね!余計な駆け引きとかしなさそうだもん!一途なワンコみたいっしょ!? そんな人が自分好きになってくれたらって考えたら超ゾクゾクするー…。俺だけ見てくれるし多少のことは許してくれるし。あー絶対手に入れたい!」
熱く語る俺を聖は引くわーってぼそっと言いながら苦笑い。
「なーんだよ、応援してくんねーの?」
しょんぼりする俺に慌てて応援するする!て両肩を掴む。
聖もまっすぐでいーやつ…だなww
「でもさーあの、赤西?さんのことはコンビニでしか知らねーのによくそこまで…。」
「は?だって同じ大学だぜ?」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?」
耳キーン…。
「おっまえ!! 言えよ!!」
「いや、なんとなく?」
「なんとなく…?じゃねーし!」
キャッキャッと戯れながら大学に向かう。
朝のバイトを終えて同じく大学に向かいながら赤西は考えていた。
どっかで見たことあんだよなぁ…。
毎朝来るにーちゃんの顔を頭に浮かべながら。
別にお客さんなんてたくさんいる中で綺麗な人も可愛い人もいるのに、何故か彼のことが気になる。
そして、お昼に学食で見つけてしまった。
あのにーちゃん。
友達と笑いながら話す姿は朝のときとは全然違って…
声初めて聞いたなーとか笑うと幼くなるんだーとか…一緒に食べてる友達の話は聞いてるフリで観察してた。
明日も来るかな?
話しかけてみよーかな…。同じ大学みたいだねって。
明日の楽しみが出来て早朝のバイトが待ち遠しい。まだ恋とは言えないけど小さな気持ちの芽が顔を出したことには気付かない。
さぁ、小悪魔ちゃんの計画通りにいくのかな?
END