Who is she?

□閑話休題
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宣言通り、一時間しないで全ての仕事を終えた俺は再び笛吹と筑紫の待つ部屋に向かって報告書を提出してそのまま望愛の待つカフェへ足を向けた。
道中、カップコーヒーを笛吹に差し入れる。



「貴ッ様ぁぁああ!!!!私がブラック飲めないと知っていて嫌がらせのつもりかァァ!!!!!!」
「………悪い」
「こんなもの飲めるかぁ!!!!!!」

「じゃあ私がもらおうかなー」


笛吹が手にしているカップをひょいと取って、口をつける望愛。


「…望愛、ブラック飲めたのか」
「あ、うん。取引先で出されるのがブラックばっかりだったから」
「……さっき言ったことを取り消してやる」
「さっき?」
「…外見だけ成長して中身は子供だな、ってやつのこと言ってるんだと思うよ」
「ふふっ…直くんは子供だよねっ」


また感情を昂らせる笛吹から逃げようと筑紫と俺の間をくるくると回って逃げる彼女。


「…望愛さん、そろそろ」


筑紫は笛吹を止めてこれからのことをどうするか話し出す。

これから、というのも、飯に行くってことなんだけれど、どこに行くかってところだろう。
今日のメインである望愛に、


「望愛は何がいい?」
「うーん…」
「フフフ…今日は特別に私がご馳走してやろうッ!!感謝したまえ!!好きなところを選ぶといい」
「やった!!!!じゃあじゃあ…えっとえっと」
「…迷いすぎ」


悩む彼女の姿に吹き出すのをこらえながら言うと、望愛は頬を膨らませて、むーとしながら。


「しょーがないでしょー、女の子は欲張りなんだからっ」
「…じゃ、欲張りついでに今日は笛吹の奢りだし好きなもん頼めば…?」


俺の言葉に、ちらりと笛吹の方を上目遣いでそーっと見ると、うろたえながら笛吹は言った。


「…構わん、好きなところを選べと言っただろう」


…こいつどんだけ望愛に弱いんだよ。と内心突っ込みを入れていると。


「じゃあお好み焼き!!」
「…え?」
「お好み焼きがいい!!それとケーキ!!パフェ!!クレープ!!そんでもってアイス!!!!」
「待て待て!!主食が一個しかないが良いのか?!しかもあとはデザートだが私にも付き合えと?!」
「うんっ!!」


…笛吹の負けだな。
と俺の呟きと、筑紫の頷きで笛吹はがっくりと肩を落として望愛はやったー!と両手を挙げて喜んだ。







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