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□優しき君へT
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そこは、とあるイギリスの森。その奥地に、ひっそりと建つ小屋があった。

『やっと着いた。』

小屋の前に現れたのは、この物語の主人公“イルレ・レオーネ”である。性別は女性。
金に輝く腰まである長髪に、左側に赤と白と緑の羽飾りを着け、両耳に三日月の中に黒色の星があるピアス。
肌は白く、瞳はルビーの色。
服は白の着物のようなスーツ。
腰には一振りの刀と、小さな箱がいくつかある。
指には、十字架に翼がはえたデザインの指輪。中央には、虹色の宝石。
スラッと伸びた体躯は、一流モデルのようだ。

イルレは小屋に入り、机と椅子を一度回した。すると中央の床が開き、エレベーターらしきものが上がってくる。それはとても近代的で、数字を打ち込むパネルが付いていた。
それに乗り、コードを打ち込むと降下していった。

ここは地下に広がる、巨大な建物の入口。“マフィア”のアジトなのだ。
所有するマフィアの名は『IMPERATORE FAMIGLIA』(インペラトゥレ・ファミリー)。イタリア語で「皇帝」を表す。(これからは略して、インペラと呼ぶ)

マフィアの中では、“VONGOLA FAMIGLIA”(ボンゴレ・ファミリー)が裏社会のトップだと思われているが、それは日の当たる所の話。陰ではインペラがトップに位置している。それを知るのはマフィアの中でも、ごくわずかな者。なぜなら、彼らを知ることになるのは死の直前だからだ。

インペラが全てのマフィアを統治し、何者にも揺るがすことのできない権力を持ち、全てを監視している。

歴史は長いが、人数は少なく同盟もない。
そのインペラトゥレ・ファミリーのボスをしているのが、イルレ・レオーネである。
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