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□1話
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「あのクソ教官絶っっっ対あたしを目の敵にしてるって!!」

皆が楽しくお昼ご飯を食べている時、私の隣にいる新図書隊員笠原郁ちゃんは怒っていた。

「…クソ教官って堂上教官のこと?」

そう冷静に聞くのは同じく新図書隊員の柴崎麻子ちゃん。

「そぉよ、あたしだけよ!こんなに腕立てくらってるの!他の女子にはこんな仕打ちしないくせに〜!」
「あんたねぇ、場を考えなさいよ。堂上教官は神崎教官の彼氏なのよ?」

「だってぇ」といいつつ席につく郁ちゃん。
可愛いなぁ。

「郁ちゃん、今日はどうしたの?」
「朝の訓練のハイポート。笠原、50人中男子混ざって12位だったんですけどゴール直後に倒れ込んでひとりで腕立ての刑だったんです。」
「あはは、やっぱきびしいね。堂上くん。」

そんな話をよそに郁ちゃんは食べているものをゴクンッと飲み込む。

「でもさ、それだけ期待されてるってことじゃない?」
「うんうん。それは私も思うよ」

麻子ちゃんが私が思ってる事を言ったから思わず同意してしまう。

「ちょっ神崎教官っ、それはありえません!!」

パンを片手にプンプン怒る郁ちゃん。
よく食べるねぇ…。

「でも笠原。あたしは結構好きだけどね。ちょっとかっこよくない?」
「はぁ!?どこが!?あんなチビ!神崎教官もどこがいいんですか!?」

む。それは聞き捨てならないぞ。麻子ちゃん、郁ちゃん。

「でも、堂上くん、165cmだよ。私より大きいもん。」
「そうよ、私より大きいし。だいたいあんたは背で選んだら誰も…」

私の身長は148.9cm、麻子ちゃんは157cmで郁ちゃんは170cm。
郁ちゃんは私達よりはるかに大きい。

「それ言うなっ奴は性格も悪い!」
「そんなことないよ、確かに堂上くんは厳しいけどあれも優しさだよ。」

私がそう言うと郁ちゃんは少し静かになった。

「それに麻子ちゃん、堂上くんのことかっこいいって言ってたけど堂上くんは私のだよ。」

「神崎教官、それって…」という麻子ちゃんの言葉で今自分がどれだけ恥ずかしい事を言ったのか思い知らされる。

「神崎教官可愛い〜、でもやっぱ分かりません!」

郁ちゃんがそこまで言うと後ろから黒い何か…じゃなくて私の彼氏がやってきた。

「お前の俺に対する評価はよく分かった。チビで性格の悪いクソ教官=c俺も人間だたまたま耳に入った罵詈雑言が指導に影響しないとは言い切れんが」
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