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□3話
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私、神崎椎香は今関東図書基地を離れ奥多摩山中の訓練場にいます。
見渡す限り山、山、山。の大自然の中一か月半の集中訓練を行っています。
っていっても、初めてじゃないし、私教官だし。
やる事なし、なんです。
「笠原行きまーすっ」
ちなみに今はリぺリング中。
郁ちゃんはほぼノンストップで降りる。
…。
すごっ!
郁ちゃんはリぺリングが得意なんた…。
それに対して手塚くんは高いところが苦手。
今、手塚くんも降りてきたけど、平凡。
それに、顔色もあんまりよくない。
ふっ、エリートの弱点見つけた☆
と、こんな感じで訓練は順調に進んでいき、集中訓練も残すところひとつ。
野外行程のみとなった。
「…クマ?」
え゜…。
聞いてないんですけど。
クマなんて。
その後郁ちゃんと玄田隊長が喋っていたけど耳に入ってこなかった。
そんなこなんで玄田般が出発。
ちなみに私は堂上班で小牧くんが玄田班。
玄田班が出発して数分。
堂上班も出発した。
出発して数分。
キツイ。
あれ、毎回こんなきつかったっけ?
体力落ちた?
最後尾には堂上くんがいてくれるけど、私の前は郁ちゃん。
郁ちゃんも段々ペースが遅くなる。
「手塚!笠原のスコップ持ってやれ。」
後ろから聞こえた堂上くんの声に、私、郁ちゃん、手塚くんが振り返る。
手塚くんも郁ちゃんも凄く嫌そうな顔してる。
「隊活動は自分だけ基準をクリアしたらそれが合格ってもんじゃない。分かるだろう。」
堂上くんのその言葉に手塚くんは「了解」と郁ちゃんに手を差し出す。
が、郁ちゃんはなかなかその手にスコップを置こうとしない。
「………同じ説教をさせるなよ笠原。」
堂上くんの迫力に負けて「お願いします」と手塚くんにスコップを渡した。
「しぃ。お前のスコップは俺に貸せ。」
その言葉が嬉しかったけど「え?私は大丈夫。」と強がってしまった。
でも、私が強がっていることを堂上は気づいていた。
「バカ、無茶すんな。」
少し微笑みながらそう言って私のスコップを抜き取った。
―おまけ―
「ねぇ堂上。知ってる?今回のクマの作戦、神崎にもやるらしいよ。」
「はぁ!?何のためにだっ!?」
「ほら、俺たちが新人だったころこの作戦やられただろ?その時、堂上が自分の近くにいるクマを跳ね飛ばして神崎のクマをなぐったから神崎の反応が見れなかったかららしいよ。」