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□温泉
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「温泉?温泉があるんですかこの辺り?」
「うん、そうみたい。」
こんにちは、神崎椎香です。
今日は地方にある館内リニューアルのお手伝いに来ています。
ちなみにすごく田舎です。森に囲まれてます。
「あるよー、更に山ひとつ入ったところだけどいい湯だよ〜」
この方は館長さん。
目が垂れててすごく優しいんです。
大規模な蔵書の移動や掃除などを行う人員として私達がレファレンス指導として麻子ちゃん達図書館員数名がそれぞれ駆り出されるのです。
どうやら今回のお仕事には素敵なご褒美がつくみたいです!!
今回、この仕事に来たのは堂上班はもちろん、麻子ちゃんもいます。
だから、皆でワイワイできるのです!!
うはぁ、楽しみだ!
「楽しみですね!椎香教官っ!」
「うんっ一緒に温泉入ろうね!郁ちゃんっ!」
車に揺られること数分。
「温泉宿だー!!」
民宿 土井中 に到着です!!
中に入ればこれぞ日本!っていうのがいっぱい。
何か、凄く落ち着く雰囲気。
着物を見に付けた人が私達を歓迎してくれていた。
「関東図書隊の皆様ですね。お待ちしておりました。」
そう言った人が目の前のふすまをガラっとあける。
「ごゆっくり」
そう言ってその人はささっと去って行った。
「キャ――――♡♡」
女の人がいなくなった瞬間叫ぶ郁ちゃん。
それには皆吃驚。
でも、そんな皆を無視して郁ちゃんは叫ぶ。
「絶景!美味しい夕食!至れりつくせり!!し・あ・わ・せ♡」
「本当に幸せそうだなお前。」
目を細めて幸せを表す郁ちゃんに篤がつっこむ。
その顔は呆れ顔だったけど、かっこよかった。
って、なんて恥ずかしいんだろう、私。
最近、篤がかっこいいです。
あ、前からかっこよかったんだけど、何かまえよりかっこよく見えちゃいます。
幸せに浸っている郁ちゃんと、頭の中で馬鹿な事を考えている私の傍に麻子ちゃんが来た。
「椎香教官、笠原。お風呂いこー」
あ、温泉…!!
「行く行くー」と言って私と郁ちゃんは支度をはじめる。
あ、最近麻子ちゃんと郁ちゃんが私の事を神崎教官ではなく椎香教官と言ってくれるようになりました!
「椎香教官、行きますよー?」
「はーい」
とりあえず今は温泉♪温泉♪
この時、もう少ししっかりテレビを見ておけばあんなことにはならなかったのかもしれない。