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□4話
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その後、麻子ちゃんと別れた。
郁ちゃんには麻子ちゃんに集合をかけてもらう。
私は他の堂上班と玄田隊長に集合をかけた。
「こんな夜にすみません。至急、お伝えしたいことがございまして。」
麻子ちゃんのその言葉で皆の顔が変わる。
「鳥羽敏雄館長代理が図書館法第三十一条に抵触する行為を行っている可能性があります。」
私の言葉にこの場の空気がピンとなる。
「本当か、神崎。」
「はい、ここ一カ月で発生した十五冊所在不明図書は共通点があったの。」
私は麻子ちゃんの方を見る。
「それは全て教育委員会通達の【望ましくない図書】挙げられていること。そして本日夜館長代理が書庫から出てきた後書庫を探したところ出てきたのが、これです!」
麻子ちゃんは本の入った袋を差し出す。
その中に入っている本は全て所在不明図書。
「これ…所在不明図書!?」
「今日の就業まではなかったはずなんだけど」
「貸し出したくなくて…今まで隠してた?これってつまり…」
郁ちゃんのその言葉に全員の頭にあるモノが浮かぶ。
【蔵書の隠蔽】
「許せない…。よりによって図書隊の中で…こんなこと絶対にあっちゃいけない!!」
郁ちゃんのいう事はもっともなこと。
「隊長!代理をしょっぴきましょう!!」
「待て待て。証拠がない上相手が相手だ。そう簡単に手は出せん。」
そう、証拠がない…。
「証拠って…なくても完ペキですよこの状況!!」
「落ち着け笠原。」
不覚にも、堂上くんの格好がかっこいいと思ってしまう…。
顔に熱が集まる。
赤くなった顔を見られたくなくて俯く。
「この条件は俺が預かり司令に報告する。館長代理にも不明図書についての通達を出して牽制はしてみるが…現状、俺達に出来るのはここまでだ――。」