「そんな簡単に言うなよ。一生だぞ。一生!!」
「私はそれでも一緒に居たいの!!」
彼女は1度言ったことを忘れずに守り続けることは空牙も重々承知していた。
そのこともあってか、彼女の一言を聞いた途端、空牙は心に決めた。
彼女を一生守り続けると…。
「空牙?なんで泣いているの?」
空牙は泣いていた。
いままで一人ぼっちで、だれにも頼る事を知らなかった空牙にとってその一言は“大切な人”
を見つけられたそんな一言だった。
「うれしかったんだ。俺の正体を見て一緒に居たいなんて言う奴は誰もいなかったから…。」
「大丈夫。私は空牙を離すつもりなんて一欠けらもないから。安心して。」
「でも、俺がおかしくなったら絶対に逃げろよ。亜梨澄には嫌われたくない。」
「そしたら空牙はどうなるの?」
「分からない。でもどうにかするしか無いだろ。」
「………………………。」
「亜梨澄?」
「私はどうしても空牙の役には立てないの?」
「それは……。」
「怖くないから、やっても良いよ。」
空牙にとってそれは嬉しい言葉だった。
でも、世の中には我慢しなければならない事もある。
「それは出来ない。これ以上迷惑は掛けられない。」
「どうしても?」
「あぁ。」
すると突然亜梨澄が抱きついてきた。
空牙に全てをあずけるように……。
「亜梨澄?」
何かあったと思い亜梨澄の頭を撫でた。
……ペロペロ………
「っ!!………亜梨澄?」
ペロ…ペロ…………
「亜梨澄!!」
空牙は、驚いて怒鳴ってしまった。
亜梨澄は少し不機嫌そうな顔をしたが、目が合った途端俯いてしまった。
「……仕返し…だもん………。」
「…はぃ?」
「私だけくすぐったいのはやだから!」
(なんだその理由は)
多少呆れたが、まぁ仕方ないかな(?)と思い
深く問い詰めるのはやめた。