たられば
□後悔
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何の変哲もない時間だけが過ぎていく毎日。
自分だけが取り残されたような、焦燥感はとっくにタバコの吸殻とともに揉み消した。
幼馴染で一つ下にあたる小早川 充(こばやかわ みつる)はいつもの時間通りインターフォンを鳴らしてからオレの部屋がある二階を見上げる。
咥えタバコで充の一連行動を見やってからやっと灰皿に水を垂らし火の始末を確実にして 窓を開け玄関へと向かう。
これがいつもの朝
小学校からずっとこんな朝。
流石にタバコは・・・ある事からドロップアウトして以来 逃げるように言い訳のように、吸ってしまっている。
「ねえ、千影さぁ・・・タバコ臭いよ?」
「・・・」
「・・・」
これもいつもの会話。
ところが今日に限っては違った。
背後から「あの・・・」と呼びかける可愛らしい声があった。