よみものの部屋

□美容師の本音
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「いらっしゃいませ〜♪お待ちしてました〜」


待ってねぇし……



1オクターブ高い声で出迎える客は

実は大っ嫌いなナルシスト女…

いつも私を指名して

無理難題をつきつける

ヤな女


毎回色んな女優やアイドルの写真を持ってきて

「こんな感じにして〜」

と、甘ったるい声を出す

「彼氏がぁ〜、〇〇が好きだって言うからぁ〜、私にもそうしてほしいって言っててぇ〜、似合うかなぁ〜」

………似合いません

ってか、彼氏って、夢の中の??

現実世界に、実在します??

イタイ…

イタすぎる……


とりあえず、あなた、この間

とぉとぉおかしくなって

ワンピースのマンガ本持ってきましたよね?

で、何て言ったか、覚えてます?

「この、ロビンちゃんみたいにしてぇ〜」


………2次元

さすがに、おかしいでしょ


でもまぁ、頑張りましたよ、私

プロですから


というわけで、今、あなた

ボブですよ?

しかも、真っ黒の……

仕上がりを見て

「これじゃ、ロビンっていうより、クレオパトラじゃん!!」


……クレオパトラに、失礼です



で、

この写真は何だ?

ちょ〜ロングですけど…??

ってか、少女時代のユナって

蟻の腰の持ち主ですよ?

メンバー最強の、綺麗所ですが…?

わかってます?


私、魔法使いじゃありませんので

あしからず


「エクステ、使います?」

「ヤだ〜、当たり前でしょ?

引っ張って伸びる訳じゃないのよ?」


………知ってます


「ユナみたいに、なるかなぁ〜」


………なりません


おうちに、鏡、ありますか?

あなたの顔

ユナの3倍ありますよ?

目は、半分以下…

スタイル、少女時代4人分


これでも

ユナにしろと?

私に言うのですか?


例え私が魔法使いでも

それは、無理です……


まず、髪をどうにかする前に

ヤセテクダサイ

声を大にして、言いたい…

でも言えない…


お客さまは、神様です


神様ですけど




ブクブクと

肉つき、欲つき

気はつかず


まずは自分を

知って?と願う…





今日も頑張って

この勘違い女をユナにすべく

力を尽くす所存でございます



ユナさん…


申し訳ありません…


本人に代わって


謝罪いたします

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