戴きもの

□リリィ
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…。

ピピピピピピピピピピ

ん…、朝…?
眠ぃ…。

ピピピピピピピピピピ

あーウゼー。
起きたよ止まれよ。

ピピピピピピ
カシャッ

…。

静かだな…。
あ、今何時だろ。

…9時ィ?!
どーりで眠い訳だ。

学校とか始まってっけど、またサボるか。
今更行ったって先公がウザいだけだし。

屑桐さんに会えないし。

学校では会えるけど、俺が悲しくて避けちまうしどっちにしろ会えねぇのと同じだろ。



今日は屑桐さんが引っ越す前日。
俺は折り鶴を貰った時から学校をサボっている。

屑桐さんに会わずに電話もメールもしなくて2日以上生きれたのは、俺にとっては奇跡だ。

でも、もう明日には…。

そう思うと体がダルくなり、今までテキトーに起きて寝てを繰り返した。

…明日は学校行かねぇと、ホント屑桐さんに会えないで別れちまう。
でも、合わせる顔がねぇよなぁ…。

ピンポーン

は?誰?

ピンポーン

…今誰にも会いたくねぇのに。

ピンポーンピンポーン

俺は勢いよくドアを蹴って開けた。

ドカッ
「うっせぇよ!!」

「今日も学校へ行かなかったのか。」

…あ。
屑桐さんだった。


 
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