◆ユリスマ本棚 1
□GAME(★2)
1ページ/5ページ
「ユ〜リっ☆」
スマイルが、いつになく楽しそうに、なにかを抱えてユーリの許へやってきた。
「どうした?スマイル」
詞を書いていたのか、ユーリはペンを置いて、スマイルを見た。
広い広いリビングルーム。
そのソファーで、のんびりと、自由に、詞を書いていたユーリは、愛しい者の呼びかけに、少しの笑顔をこぼした。
スマイルのその手に抱えられていたもの。
「タイマーからハロウィンにもらったんだ〜」
じゃん!…とばかりに、ユーリの目の前に出して見せた。
棒状のプレッツェルに、チョコレートをかけた、日本では定番の“あの”お菓子…。
『限定』と日本語で書かれているそれは、通常のものより、大きい。
「タイマーに…?」
「うん」
スマイルは、なおも楽しそうに、ニコニコとしている。
「今日はコレの日なんだってサ。…あのね、ユーリといっしょに食べようと思って
」
“おねがいだよ”と上目遣いで、ユーリを見やる。
“タイマーから”という点は少し気に入らなかったが、スマイルが自分と「いっしょに食べよう」と言ってくれたことを、ユーリは嬉しく思った。