◆ユリスマ本棚 1
□GAME(★2)
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「でもね…」
スマイルは、ガサゴソと包みを開けて中身を取り出すと、少し照れながら言った。
「ただ食べるだけじゃつまらないから、コレでゲームしようと思って」
「…ゲーム?」
イマイチわかっていないユーリに、スマイルはなおも照れながら…
「あのね…こう…」
…と、菓子の端っこをくわえて、瞳を閉じた。
────!
…もう説明はいらなかった。
そう、いわゆる「ポッキーゲーム」。
ユーリは、不意に食らったスマイルのかわいい誘惑に、胸を高鳴らせた。
スマイルを座らせると、ユーリもその菓子の突端を口に含んだ。
チョコレートの甘い味が広がる。
少しずつ、少しずつ…
まだ…まだ…
はやる気持ちを抑えながら、ユーリが目を閉じた瞬間だった。
────もふっ…
唇に、妙な感触。
パッと見開いた目に飛び込んできたのは、茶色の毛皮。
(…何事?)
ワケがわからないユーリの向こう側で、クスクス笑う声がした。
「あっはっは…ヒッヒッヒッ…アッシュ!うまくいったよ!」
「…オレをあんまりイタズラに巻き込まねぇで欲しいっス」
…イタズラ?
ユーリは、固まったまま。