短編集

□居場所を下さい
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「リヴァイ兵長」

名前を呼んでにこりと笑えば振り返った彼の眉間にシワが寄る。

「好きです」

オレの気持ちを伝えれば、怪訝そうな顔をして首をかしげる。

「恋人としての、"好き"ですよ」

確認するかのように言えば段々赤くなる顔。

「オレ、化け物ですし何より男ですし…気持ち悪いですよね…」

申し訳ないと困った顔を作れば悲しそうに歪む彼の顔。

「それでも、あなたが好きなんです…」

するとリヴァイさんは赤い顔を俯けて。




どうしたらあなたの記憶に残れるか。

あなたが死ぬまであなたの記憶にあり続けたくて。

それがどれだけあなたを苦しめるとしても、あなたに忘れられるのは耐えられない。

どうしたら覚えてくれる?

忘れないでくれる?




………あぁ。大好きなあなたなんて、


堕ちてしまえ。

















「エレン…?」

血まみれで横たわる彼に声を掛けても返事はなかった。

「なぁ…エレン」

肩を揺さぶる。

「起きろ……何、壁外で寝てんだよ…」

段々とぼやける視界の中、愛しい彼を見つめる。

「エレン…おい……早く帰るぞ」

「エレン」

「エレン」

何度呼んでもあの優しい声が帰ってくることはなくて。

「リヴァイ!もう退却だって!早く行こう!」

ハンジが駆け寄ってくる。

俺は冷たくて、もう固くなったエレンを抱きしめて。

「リヴァイ…!?」

後ろでハンジの驚いた声が聞こえた後、確かめるようにハンジはエレンを覗き込んで。

「う、そ…」

ハンジのゴーグルのレンズに落ちる涙を見て俺の目からも涙が伝い落ちた。

「とにかく、リヴァイ…エレンを連れて…帰ろう…」

しゃくりあげながらハンジの言うことを聞いてエレンが落ちないように注意深く馬に乗せて。

エレンを後ろから抱きしめるようにして自分も馬に乗る。

ハンジと泣きながら帰還したあと、エレンの葬式が行われた。

人類の希望と謳われた少年に相応しい、大きな葬儀。

エレンの周りは綺麗な花で囲まれて。

俺は、胸の前で組まれたエレンの手に白い百合の花を一輪、そっと置いて。


「エレン…愛してる」

それから、涙に歪む顔を無理に笑わせて。





「お前のことは、死ぬまで…死んでも、忘れない」

あぁ。苦しい。



















そうしてあなたは、オレを忘れられなくなる。






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どうしても兵長に忘れられたくないエレンくん。
そうだ、兵長を惚れさせて自分が目の前で死ねば一生記憶に残るよね!
そして実行してしまう…。
残されたリヴァイさんは死ぬまで毎日泣いて過ごすことでしょう…

Twitterのリクエスト『兵長の記憶に残りたくて命をかけるエレンくん』

by、良樹

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