短編集
□答えてよラブユー
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「オレ、兵長が好きです」
すると兵長はオレの目を見上げて少し驚いたような顔をして。
「そうか」
と呟くように言うとすぐ掃除に戻った。
え、ちょっと。
「兵長」
「なんだ」
「オレの必死の告白をスルーですか」
「お前掃除しろよ」
「掃除なんてどうでもいいんです！」
「ふざけんな削ぐぞ」
「どうぞ！むしろお願いします！」
「…………………」
「兵長のそのゴミを見るかのような蔑んだ目が大好きです！」
「おかしい。好きな奴に告白されてるはずなのに全く喜べない」
「兵長…それって……」
「掃除しろ」
「オレのこと好きってことですか…？」
「さぁな。掃除しろ」
「じゃあ掃除したら兵長の処女をオレにくれるんですか!?」
「待て。何で俺が処女扱いなんだ？」
「えっ…もしかして兵長、経験済みですか…？」
「…………………」
「本当ですか!?相手は誰ですか!?団長ですか!?クソッあのヅラ団長！駆逐してやる！！」
「何も言ってねぇだろーが」
「じゃあどういうことですか！兵長は処女じゃないんですか!?」
「あのな、百歩譲って俺とお前がヤるとして何で俺が受け前提なのかと聞いている」
「え…？兵長、オレを攻めたいんですか…？いや、でもオレを攻めようとする兵長を想像するとムラムラして逆に襲いたくなる……」
「何 か 言 っ た か」
「すみません」
「とにかく話は掃除してからだ」
「分かりました！掃除が終わったらベッドでの主導権の話し合いですね！よーし頑張るぞー！」
「おい」
「はい？」
「俺はまだお前と付き合うなんて言ってねぇが」
「えっ……」
「何だその『今初めて知りました』みたいな顔は」
「さっきの告白…OKじゃなかったんですか…!?」
「俺は何も応えてねぇよ」
「……っ！………兵長…さよなら」
「おい待て。どこへ行く」
「兵長に愛されない世界なんて意味がない」
「は？」
「死にます」
「分かった。付き合ってやるからやめろ」
「本当ですか!?兵長大好きです！愛してます！パンツください！！」
「そうか。掃除しろ」
「掃除したらパンツくれてセックスさせてくれるんですか!?」
「お前の頭の中はパンツとセックス以外に無いのか？」
「ありますよ！オレの頭は常に兵長のことでいっぱいです！」
「………ほぅ」
「特に兵長が立体機動を使ってる時なんかどうしても兵長の腰に目がいってしまって…だって巨人の項を削ぐ時の兵長の腰がいちいちエロくて…羽が生えたみたいに飛び回る兵長の腰が誘ってるようにしか見えなくて壁外調査なんか兵長の腰見放題で天国ですけどあの色気に耐えなきゃいけないのはもう地獄ですよ…」
「お前そんなこと考えながら壁外調査してたのか」
「はい」
「今までよく死ななかったな」
「これからも兵長の傍にいたいので」
「………………っ」
「ね、兵長」
「………なんだ、エレン」
「好きです。オレと付き合ってください」
「………………あぁ」
「あとパンツください」
「それは駄目だ」