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□2:blind love
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次の日から俺の攻撃は始まった。

「理愛くーん!」

名前を呼んで駆け寄っていくとさっきまで女の子に振りまいていた完璧な笑顔があからさまな嫌悪と不快に歪められて。

そんな顔しても及川さんには効かないもんね!

「ねぇ、次から理愛ちゃんって呼んでいい?」

「黙れ」

「好きな食べ物は?及川さんは牛乳パンだよ!」

「ウザい」

「あ!一緒にお昼食べない?」

「消えろ」

「連絡先教えてよ!」

「死ね」

「ねぇ!理愛ちゃん!」

「ちゃんとか言うなキショイ!!」

早歩きで逃げる理愛ちゃんをへらへらとふざけた笑顔で追い掛けて矢継ぎ早に質問する。

そんな俺らの前にマッキーが丁度通り掛かって。

あっマッキー。

手を振ろうとすると理愛ちゃんがいきなり走ってなんとマッキーの背中にサッと隠れた。

「おい花巻!お前んトコの主将だろアイツどうにかしろ!」

「えwwなに追い掛けられてんの?」

「そうだよ。あんなのが主将とかバレー部大丈夫かよアイツ人格が著しく破綻してるよ」

え。マッキーと理愛ちゃん、仲いいの?

驚く俺を無視して二人は会話を続ける。

「まぁアレが通常運転だし」

「お前よくあんなのと毎日顔合わせられるな…自分がお前の立場だったら殺人犯になってる」

「そこまでww及川何したんだよww」

その問いにキョトンと首をかしげて。

「え?俺はただ理愛ちゃんと仲良くなりたいと思って」

「こっちはお前がウザくて死にそうだよ」

即答されたし内容が相変わらずひどい。

ムッと拗ねた顔をつくる俺をまたもや無視して理愛ちゃんは後ろからマッキーに抱き付く。

「まぁいいや。花巻もう昼飯食った?」

「いや?まだだけど」

「じゃー一緒に食おうぜー」

「おー」

そしてマッキーは抱き付かれたまま、理愛ちゃんは抱き付いたままスタスタと廊下を歩いていく。

え…え?

「ちょ、待ってよぉお!及川さんも入れて!」

「冗談は顔だけにしろ」

「え!?及川さんイケメンでしょ!」

「はー?その冗談マジ笑えない」

「理愛ちゃん!」

「殺すぞ」

「ひどい!」

あれ…何で俺こんなに嫌われてんだろ…。

「マッキー〜〜〜」

マッキーだけでも俺の味方につけたくて泣きそうな顔で名前を呼んで花巻を見つめる。

するとそんな俺とマッキーの間に怖い顔をした理愛ちゃんがスッと割り込んできて。

「俺の花巻に話し掛けんじゃねぇよ」

そして物凄く蔑んだような、汚いものを見るかのような目でギロリと見下されて。

コレが…今話題のセ●ム……?

理愛ちゃんはマッキーのセコ●なの……?

チラリとマッキーを見ると彼はニシシと嬉しそうに笑っていてえ?腹立つ。

しばらく牽制するかのように俺を睨んだあと理愛ちゃんはマッキーの手を掴んでスタスタ歩いていってしまった。











「ちょっとマッキー!理愛ちゃんと仲いいなんて及川さん聞いてないよ!?」

放課後、部室に入るなり吠えるように言うと着替えの途中のマッキーはけろりとした顔で。

「だって言ってないし」

と平然と答えてTシャツを着る。

なにソレ…!!

「マッキーずるい!!」

「いいから早く着替えろクソ及川」

岩ちゃんに怒られた。

俺は咄嗟に岩ちゃんに縋りついて。

「だって聞いてよ岩ちゃん!」

「は?嫌だけど」

「泣くよ!?」

「泣けばいいだろ」

みんな冷たい…っ!

「もう知らないっ!今日の部活は出ないもん!ばーかばーか!」

俺は涙目で部室を飛び出た。

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