幻想少年創生録

□新メンバーはお知り合い?
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翌日、水曜日。
秋に近づき、少し肌寒くなってきた。
今日はこの2―3に、少年達と仲間になる者が来る日だ。
「ついに・・・!転校生が来るぞぉぉぉ!」
「て、テンション高い、ね・・・?」
「だってよ!スタータはお前に独占されてるし!他のやつだって付け入る隙ねぇんだよぉ!後の二人が俺の最後の希望なんだよ!」
「そんな大げさな・・・」
「っていうかさ、秀吉。君は一体何の話をしているの?」
「とにかくだ!転校生が来るんだ!歓迎しないとな!」
「・・・まぁ、それはそうだね」
「うん。それがいいね。それで、歓迎会でもする?」
「いいな!」
「じゃあ・・・最近できたカフェとかは?」
「うーん・・・俺、正直カフェとかよくわかんない・・・」
「子供だねぇ〜」
「子供だよ、俺は」
「・・・なんか、吹っ切れた?」
「まぁね」
ガラッと教室の扉が横に動き、藍と見知らぬ少女が入ってきた。
「さぁ皆。この子が今日から私達の仲間になる子だ。さぁ、自己紹介を」
「『花水 椿』だ。よろしく」
・・・ヤンキー?
少女の服装は、ドラマのヤンキーのような感じだった。
胸にサラシで白の特攻服。
髪は赤に染まり、腰には木刀を携えていた。
「椿の席は陽炎と秀吉の間だ」
「分かった」
「ではこれから椿に説明を始める」
「頼む」

〜少女説明中〜

「・・・なるほど。理解した」
「ではこれから仲間として、私達に協力してくれ」
「了解だ」
「ありがとう。では、今日のHRはここまでとする。授業の準備をしておくように」
そう言うと藍は教室を出て行った。
「なぁ花水!」
旧友が椿に話しかける。
「・・・何だ?それと、椿でいい」
「お前ヤンキーなのか?」
うわぉっ!?何聞いてるの!?
「・・・まぁ、格好はな。喧嘩だってする。だが、授業は真面目に受け、て・・・」
椿が旧友の顔を見ると同時に硬直した。
「? 椿、どうした?」
「ひ、秀吉?」
「へ?・・・っておい!まさかお前・・・あの椿なのか!?」
「そうだ!秀吉!久しぶりだな!」
「本当にそうだよ!」
「椿・・・まさか!秀吉の家で一緒に遊んだ椿!?」
「おぉ!陽炎じゃん!久しぶりだな!」
「ひ、秀吉さ〜ん?陽炎さぁ〜ん?これ、どういうことなの?」
「あぁ。彼女の旧姓は横井 椿。秀吉の元お隣さん。秀吉はアパートに住んでるからね。それで隣ってことで色々なことして遊んでたんだけど、小六の時に両親が離婚して遠くに行っちゃったんだ」
「へぇー!でも、それでこの町に来られるなんて、凄い偶然!」
「そうだね」
「そうだ・・・待て。椿はこのクラス。ということは?能力、あるのか!?」
「「!?」」
「・・・あー。うん。ある。お前らと別れた後、引越し先になじめなくてな。私、喧嘩するようになってたんだ。それもあって、中学校でヤンキーデビューしたんだ。とは言っても、一匹狼だったし、薬とかやってた訳じゃねぇけどな。で、一年の二学期の頃、五百人くらいの暴走族と喧嘩してな」
「ぼ、暴走族!?」
「あぁ。あいつ等、毎日毎日ブンブンブンブンうるさかったんだ。だからしめようとしてな。百人くらいは倒したんだが、残りの五十人にリンチされちまった」
「だ、大丈夫だったの!?」
「無事じゃないに決まってるだろ。死後の世界に行っちまった。だが、相手側の行為が全て閻魔の敵に言われてやった事だって判明してな。お詫びに能力貰って生き返ったって訳だ」
『おい待て!閻魔が!?』
「うわっ。アダム、何驚いてるの?」
『だって閻魔がだぞ!?おかしいだろ!映姫ならその閻魔に直接文句言いに行くぞ!?』
「知らないよ!!それに映姫って誰!?」
「陽炎・・・?熱でもあるのか・・・?」
「心配そうな表情しないでいいよ。陽炎、アダムと話してるだけだろうから」
「あ、そうか・・・」
「とにかく。またこれからよろしくな!椿!」
「あ、あぁ」
「・・・ねぇ陽炎」
何故かイヴが少年に小声で話しかけてきた。
「どうかした?」
「椿ちゃん・・・秀吉のこと好きみたい」
「え?どうして?」
「だって見てよ。ずっと手モジモジさせてる」
「???」
「・・・もういいよ。陽炎に話したのが間違いだった」
「???」
「そうだ!今日の午後花畑行こうぜ!椿、花好きだったろ?」
「そうだな。ぜひとも行きたい」
「あ!それならさ、幻想郷に行こうよ!許してくれるか分からないけど、幽香に頼んでみるからさ」
「あぁ。幽香さんか。そうしてくれ」
「じゃ、放課後は椿の歓迎会だー!」
「「おぉー!」」
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