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□眼球を
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夕暮れの晩。
私のコレクションがイかれた奴に殺された。
生命活動の停止した瞳が映す世界はモノクロだ。
その目に映った私の瞳は煌々と敵意に燃える。



翌日、心の泥を具現化したような空の下。
「お前の愛しの彼に私の生かしていた眼球を殺された。」
そう、漣の奴を睨みつけると
「それでもその生きてた奴の片目は持ってるでしょ?」
なんて言い出す始末。
「生きてるのと死んでるのでは価値が違う。
 知りもしない事を軽々しく口にするな。」
そう言っても絶えず笑みを浮かべる漣に殺意を感じる。
「取り敢えずお前の愛しい彼はどこにいる。
 私が直々に殺してやる」
「そんな事したら僕がてめぇを殺すぞ」
ニコニコと笑って吐き出された言葉に、睨みを返す。

「兄さんに近づいたら例え弓月でも絶対許さず生きた地獄を見せてやる

張り付いたような笑みを壮絶に歪ませて言い放つ漣に、私は皮肉気に笑ってみせた。





私の物に手を出すヤツとそれを邪魔するヤツは人だろうと人外だろうと容赦しない。
例えそれが唯一無二の友人だとしても、不老不死の人外だって、関係無く認識無く理由無く殺す。




《Don't you think it's the best way?》

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