BOOK
□人色亭の日々C
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PC閲覧全力推奨
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12月24日
その日の人色亭のドアにはOpenの表記以外に別の物も吊るしてあった。
本日クリスマスパーティーにつき
招待券をお持ちの方のみの
貸切とさせて頂きます
「色人さーん!そっちのとってー!」
「これかな、未菜ちゃん?」
何時もの時間に開店した人色亭では、昼過ぎ頃にして既に何人かの客の姿があった。
「ありがとー!色人さーん!」
「遅いわねー、あの子…まだ学校かしらね?」と、栗原杏里が。
それぞれが立って食事や会話に花を咲かせ、どうやら立食らしく彼方此方で楽しげな雰囲気が醸し出されている。
「最近のお気に入りかい?」と、近藤錦が。
「そうなのよーあの子ったら可愛くって…」と、杏里が恍惚と微笑み
「そうだ未菜ちゃんこれプレゼントにと思ってたんだ」と、隅の方で竜騎が。
「わぁ!竜騎ちゃん素敵ぃー!」竜騎の渡した小箱に目を輝かせる未菜に
「喜んでもらえて嬉しいよ」と身を細める竜騎
そこに色人が語った。
「楽しんでいただけているようで何よりです」
「やぁ色人、楽しませてもらってるよ」
竜騎が色人に気付き、グラスを片手に振り返る。
「色人さん!とっても美味しーよ!流石色人さん!」
未菜がにっとローストビーフ(名称はビーフだが材料がビーフかは定かではない)の入った皿を手に笑うと、竜騎が色人から視線を外し、また目を細める。
そこに「あら色人!久し振りね!」
と野太い声に呼ばれ、色人は別の客の元へと移動した。
「竜騎さん…今色人さんを呼んだのって男ですか…女ですか…???」
未菜が目を見開いて困惑した声で問う。
「……………食人家としてあるまじき失態……………!!!!
この俺が…わからない…………………だと………?」
竜騎もザワッ………と目を見開く。
そこにドアベルの音が重なる。
「いらっしゃい!二人とも、学校は終わったの?」
色人が新たな客二人の方へ向けて声をかけると、その二人は揃って口を開いた。
「はい、今日が終業式ですので…。
お招きありがとうございます、桐ヶ谷さん」
「招待ありがとうございます!
始めまして、弓月の友人漣です!」
「始めまして、一応ここの店主を勤めてます、桐ヶ谷色人といいます。
今後ともよろしくお願いしますね。」
色人の丁寧な漣への挨拶が終わるのを待ちきれないように、弓月は被せて発言する。
「桐ヶ谷さん、この変態を連れてくる意味とは」
「弓月ちゃんの友人に一度くらい会ってみたくて………迷惑だったかな?」
しゅんと眉を下げる色人に、弓月は諦めるように少し笑う。
「………………こいつを友人とは認めたくないけど、迷惑じゃ、ありませんから。」
チラリと漣に視線をやってそう言う辺り、やはり素直でない少女だった。
「さて!
学生組と遅刻組も集まったことだし、そろそろメインを出そうか。」
色人がそう言うと、パタパタと青年が運ぶのを手伝いに奥へと向かう。
そして、二種類のケーキを運んで来た。
「今年は食人家以外の方にもこのお店をご愛顧いただけたので、それに合わせて一般向けなケーキも作っておきました!
存分に楽しんでください!」
ショッキングな視覚情報を脳内へダイレクトに叩きつけるような色合いのブッシュ•ド•ノエルに、一般的なクリスマスケーキ。
因みに、別個にオキュロフィリア分の小皿も有ったりするが、この場では割愛。
「ちょっ弓月弓月!
何でウチの居候がここにいんの!?」
漣がイチゴを口に含みながら弓月の元へ駆けた。
「あ、竜騎さん、ご無沙汰です。」
駆け寄られた当の弓月は漣など視界に入っていないかのように知人へと声をかける。
偶然か故意か、漣の居候とは竜騎のことだが
「あれ、弓月ちゃん?そういえば漣の友達だっけ」
竜騎は弓月の背後で喚く漣を視界に入れ、律儀にその話題へと話を持っていく。
「失礼な、こんな変態の友人扱いしないでください。」
竜騎の親切心を漣への暴言で返した弓月に、漣は若干涙目で睨みつけた。
「失敬な、僕のコト変態扱いしないでよ弓づ「弓月ちゃんおひさぁ!」」
怒声を上げさえしても、今度は声を間知らぬ他人に被せられ、漣はついに地にのの字を書いていじけはじめた。
「煤木野さんもご無沙汰です。」
弓月が未菜の髪を優しく梳かすと、今度はおっとりした声で弓月の名を呼ばれる。
「あら?弓月じゃないの、久し振りねぇ〜」
「杏里さん、三日ぶりです」
弓月は僅かに顔をしかめるものの、平然と返す。
「何々?杏里も弓月と知り合いなの?」
おっとりした女性、杏里と呼ばれたその人に竜騎が質問すると、
「うふふ、弓月と私はね?
吐いたり吐かせたりする仲なのよ〜」とのたまう。
竜騎と漣は同時に頬を引き攣らせ、漣が弓月に耳打ちした。
「ゆゆゆゆ弓月!?
嫌ならハッキリ言いなよ!?!?」
竜騎は杏里に詰め寄り、
「幼気な女子高生にまたか内外不一致おっとり主婦!」と叫ぶ。
キャラ崩れのオンパレードだった。
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アトガキ。
PC閲覧全力推奨でした。
弓月の本編知らない方は尚更PC閲覧全力推奨です。
オチなどない!
あるのは雑多な会話文と、わけのわからない深夜テンションだけだ!(目見開き
そしてクリスマス感はどこに。
ここに有った↑