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□不破弓月と漣家の大掃除
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12月29日。
一年の総締めくくりの二日前。
漣家では不思議な光景が繰り広げられていた。
「弓月ーーちょっとそのゴミ袋取ってー?」
「弓月ちゃんちょっと、そこのダンボール待ちあげてもらってもいいかなー?
あ、空だから安心してねーー。」
「漣の友達、カバン、取って。」
「っづだぁあああああ!
一度に三つも別のことできるか!
聖徳太子か私は!!!???」
「おー。
弓月、ないすつっこみー。」
時刻は午後3時、天気は快晴。
世は大掃除どきである。
「そもそも何で私が漣の家の大掃除してるんだ」
全員で一息入れたところで漸く、弓月が最もで今更な質問を口にする。
「弓月のことだから大掃除も年賀状も終わったでしょー?」
「弓月ちゃんのことだからもうそろそろ暇かなと思ってね。」
漣が悪びれもせずに言い放ち、竜騎がナイス推理と言わんばかりにドヤ顔を披露した。
そこに月花がトドメを刺す。
「漣の友達、残念なくらい、暇」
「おいコラのほほんチェーンソー、お前一番私の扱い酷いだろ。
私もアンタもお互いの名前ちゃんと知らないくせに。」
「月花、です」
「名前聞いたんじゃない。
……不破弓月、よろしくする必要は皆無。」
「僕は漣よ「知ってるわ阿呆」くすん」
「あー、ホラ、いつまで駄弁ってんだよ」
「?」「?」「?」
弓月の一言に三人が揃って首を傾げる。
この三人で首を傾げたところで殺意しかわかな…げふん。
「駄弁ってたら掃除終わらない」
その言葉に竜騎は漣に耳打ちした。
「…ねぇ、弓月ちゃんって……」
「ふっ………今気付いたか。
弓月は実は、ツンデレお節介系キチガイキャラだ」
「新ジャンルだね」
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「月花、その大きいダンボール何だ」
「得物…俺の」
「埃かぶってるけど」
「三年前の」
「おーけーわかった。
知ってるか月花、二年以上使わなかった物は以降も使わないんだ。」
「知らなかった」
「要る?」
「確かに。三年前、以降、使ってない」
「よし捨てよう」
月花と弓月が淡々と作業を続ける。
それを見る漣と竜騎は囁き合う。
「「めっちゃ仲良い!!!?」」
「え?え?なにあれ、なにあれ」
「月花が殺さないで会話してる!!?」
「つか月花がちゃんと返事してる!!?」
「それより弓月がめっちゃ親切」
「え、どの辺が」「教えてるあたり」
「マジなの?」「弓月は基本意見言わないし」
「マジなのか…………ちょっと本気で弓月ちゃんが美味しそうにみえる」
「おいヤメろ」「冗談だよ」「そのナイフをしまえ」
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「弓月、お陰様、片付いた」
「終わったから私は帰るぞ漣」
「え、あー、うん?」
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アトガキ
オチが見えない。