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□好きな人は誰ですか?
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マシューside
「もしこんな私でも良ければ……付き合ってくれないかな?」
「…え?」
初めて告白された。
どうしたらいいか分からなくなって、
その子の顔を見つめ返す。
僕は『一人の国』だから、人と同じ時を過ごせない。それなのに。
「君は隣のクラスの子…だよね? えぇーと…」
「あっ、返事は今度で大丈夫なので。あとこれ、私の連絡先です。それじゃ」
俯いて、走り去っていく女の子。
貰った紙を見てみる。
そこにはさっきの女の子の字であろう字で、名前と連絡先が書かれていた。
*****
翌日。不意にアルフレッドに昨日の事を話してみた。
「えぇ、君が告白された!? 本当かいそれ!?」
「しーっ、声が大きいよ…」
僕のことだもんね。驚くのも当然だよ…。
名前を明かしてしまうのはいけないと思ったから、誰からとは言わなかった。
アルフレッドが何故か顔をぱあっと明るくさせた。
「俺と間違えたんだぞきっと! 俺達よく間違われれるじゃないか!! 似てるとは思わないけどなっ!」
…まだ信じてないみたいだ。
そりゃあ、君は僕よりモテるだろうけどさ…。
「呼び掛けられたとき、確かにマシューって呼ばれた」
「ふぅーん…」
アルフレッドは困り顔をしながら僕の顔をじっと見つめてくる。
「で、君はその子と付き合うのかい?」
どうしよう。付き合ったことなんてないし、ましてや好きな人もいない。
「僕は…」
そう呟いて、それっきり言葉が出ない。
よく分からないけど、ドキドキしてきた。
少し間が空いてから、僕の口がやっと開く。
「あの子には悪いけど……断ることにするよ」
アルフレッドは「何でだい!? 勿体無いじゃないか!」なんて言ってるけど、僕にだって。
…僕にだって好きな人がいるんだ。