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□好きな人は誰ですか?
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アルフレッドside
「実は…告白されたんだ、昨日」
マシューの声が頭の中でぐるぐる回っている。
断るって言ってたけど、マシューに好きな人がいるってことなのかい?
別に誰だって俺には関係ないけど……。
もしいるんならちょっと悔しい。
「って、何 ヤキモチやいてるんだ俺っ!!」
俺は頬を叩いて、放課後の教室を後にした。
…今のでっかい独り言、誰にも聞かれていなくてよかった。一応辺りを見回してみる。
よし、誰もいないな!
しっかし、マシューの好きな人って一体…。
いるとは限らないけど。
*****
帰宅後、俺はマシューに電話してみた。
すぐに出てくれた。
「何だい、アルフレッド?」
「やあマシュー! 今日の話の続きなんだけどさ」
「話の続き……?」
続き、というのが引っ掛かったのか、彼の返答は疑問形だ。
ああ、マシューのなかでは告白の話は終わったことになっているのか。
「何で断るってなんて言ったのかって思ってさ。ほら、好きな人がいるとか」
「えぇっ!?」
その反応はいるんだな、と思った俺は続けてマシューに聞いてみる。
「誰なんだい? 興味あるんだぞ!!」
「き、君だって僕にそんなこと教えてくれたことないじゃないか」
「ぎくっ!」
そりゃあ言える訳ないじゃないか。
……だって、君なんだぞ。
女子と間違えてるっていう訳でもないし。
マシューが、好きなんだ。
「そうだけどさ…確かに君に教えたことなんてないけど」
「じゃあ、君が教えてくれたら、僕も教える」
知りたいけど、知りたくないような…。
俺の場合、そう叶うような恋じゃないんだ。
俺が本当の事を言うかに懸かっている…。
「あ、アルフレッド?」
返答のない俺にマシューが声をかけてきた。
「あー…いや、それはまた今度にするんだぞ」
「そっか」
「じゃ、goodnight!」
「うん、goodnight.」
*****
今度にするとか言ったさっきの俺、どうしてくれるんだい!?
…全く、勇気のないヒーローなんておかしいんだぞ。
今の俺、絶対顔赤い。