skmくん受け1

□律儀な小犬と身勝手な主人
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「ありがとうございましたあー!!!」

今日の雑誌撮影はサクマの好きなテーマに添ったものであったから素で楽しめた


と言っても毎回全力で楽しませてもらってるから今日に限った事ではないけどね〜


「ん〜!お腹すいたぁ」

スタッフさんやカメラマンさん達にペコリと挨拶してから楽屋に戻る途中で鳴ったワンパクな腹の虫に思わず独り言。

……しょっぴー、帰ったかなぁ

因みになんだけど、オレとしょっぴーは普段共にしない恋人同士なのですよ。

何故そうしたのかにはちゃんと理由がある。それは付き合うときに二人で決めたルールがあってね


『公私混同は止めような』


それが何よりも大きい。

理想を言っちゃえば、恋人とは常にくっついていたいサクマだけど、好きな人がそうやって言うならね。仕方ないよねー。

だから我慢してあんまり絡まないようにちゃんと弁えてるんですよ。

ヘヘッ。誰かサクマを褒めたたえて〜

だってぇ、本当は甘えたいんだぞっ!!
それを我慢してるのだからさ…はぁー。


過去に1度だけ2人っきりになった時があってノリで『しょっぴーぃ♡』と座ってスマホを弄ってる時に抱き着いた事があったけど『おい。ここ楽屋だけど』と低めの声で言われてからは反省してやってない…

ひとつ言っていい?


サクマのダーリン怖過ぎぃ!!

そこまで怒らなくても…とは胸の内で押し殺して本人に伝えてないけどね。うんうん

「ふ〜。」

そんなこんなんで楽屋前に到着。

ま、特に意味無いけどスーハーと深呼吸を数回してからドアノブに手を伸ばす

ガチャッ

………ふむ。やはりみんな帰ったかぁ…

予想してた通り誰も居ない楽屋には、いつもの元気なテンションは封印して大人しく入った時


「……遅ぇよ。」

「?!!!」

突然聞こえた声に顔を上げると意外にも真横でそれも含め驚く。

「しょ、しょっぴぃい?!!」

「…なんだようるせーな。」

「…あ、ごめん!!にゃはは!!」

「……。」

何故?もしかして…サクマを待ってたの?

だって先に撮影してたしょっぴーが大トリのサクマを待つなんて信じられない。

あの帰りたがりの5歳児が?
え、うっそ。ってなるでしょ。

もしそうだとしたら本当は「わ〜!うれピーマン♡」と抱き着いて喜びを示したいけど約束だからね。ハグしたいのをグッと堪えて視線がする方へ顔を向け笑みを見せる

「待っててくれたんだね!」

「うれピーマンだぞ!!」といつものような態度で感謝を伝えてみたら、腕を組んで壁に凭れた体勢のままオレを見て「……あそ。」とクールに返答された

もうっ。ツンデレなんだから〜

ふふっ。そんなキミが好きだけどねん。なんつって


「じゃー…焼肉でも行きやすか!!」

「……お前の奢りな」

「なんじゃと!!…まぁ、サクマの焼いたお肉を腹いっぱいに食べなしゃーい!」

「じゃ、お前の分も遠慮なく食べるな」

「え…それは良くないぞ!」

「…フッ。嘘だから。ほら、早く準備しろ」

「はーい!」


…なんか…久しぶりだなぁ。

意外にもこうしてプライベートでご飯行くのも最近無かったから本当に嬉しい。


そんな喜びを噛み締めてるオレを壁に凭れて未だに真顔で見る塩顔イケメンの視線に若干の照れが生じたタイミングで着替えようと歩を進めた瞬間


「大介」

「?!!!」

突然力強く手首を掴まれバランス崩す前に抱き締められて耳元であまり慣れない名前で呼ばれ身動き取れずフリーズ

あの美声を鼓膜に注がれて脳が痺れてきたオレは腕の中で小さく息を呑んで大人しくすることしか出来ずすっげー頭がパンクしそう…っ、

「……お前さ。なんで俺ん所に来ねえの」

「…?…え?」

そんなドキドキしちゃう状況の中、再び耳元で囁き出す言葉に思わず首を傾げて顔を見る

「…なぁ。何で俺じゃなくて他の奴らに甘えんだよ」

「答えろ」と顎を軽く掬ってから近づけてきたしょっぴーの綺麗な顔をボーッと見てたけら、再度促され我に返る

「ほら言えよ」

「っ、だ、だって…約束したから…」

「…あ?約束?」

「うん。」


この体勢なんか厭らしいなぁ…
左手は腰で右手はサクマの顎

正にこれは王子と姫のキスする瞬間!!


それにしても…ここ楽屋だぞお?

「あのさ…仕事中は公私混同しないって約束したんじゃ、」

「は?今はプライベートだろ。」

「で、でも楽屋だよ?」

遠慮気味に言えば1度だけ眉間に皺を寄せてから横を向いて露骨に溜息をついたから思わず謝ってしまった

「ご、ごめん…っ!」

「…。」

気まずい空気が流れてる間もしょっぴーはずっとオレを抱きしめて顎を掴む手で猫にするように下顎を指先動かして触ってるけど笑ってはダメな気がする

「…っ」

そろそろ重たい空気に耐えられそうに無くなったサクマはとりあえず離れようと意外にも優しく腰をホールドしてくれてた腕を掴んで拘束から抜け出す

「あ…お、オレ、そ、そろそろ着替えようかなぁ!」

「…」

めちゃくちゃ視線感じるけどサクマはめげないぞ←

でも珍しいな。ここまで積極的に絡んでくるなんて正にレアもの!!

そんな物珍しいこともあるんだなぁーと考えながら衣装を脱いだ時、突如素肌に布が擦れたのと同時に温かい温もりと程よい締め付けにまたもや硬直してしまったカラダ


「…?!え、……な、なに、して、…っ、」

そして思わず口を開けばカタコト。

サクマの不甲斐なさに悲ピーマン!!←


「…佐久間。」

少しだけ現実から逃げてた時、鼓膜に注がれた優しくて柔らかい声にも倍硬直した


「っ、…っ、」

擽ったくて照れくさくて変な気分になったオレは場違いの展開にどう返せばと少ない思考力で策を考えてみる間、

「っひぃ、っ!?!」

突然動いた手に上擦ったサクマの声が部屋に響いて全身から熱が上昇した

「ちょ、…っ、と!しょ、ぴぃ?!」

「うるさい。」

え、何で半ギレなのぉ?!

サクマさん泣いちゃうよォ?
それに何で今抱き締められてるの?
上半身裸のオレと私服のしょっぴーの組み合わせ事態ロジカルじゃないぞ?←


……いや、関係的にはロジカル?←

あー!!!もうわっかんねぇー!!!

とにかくサクマさん。このイケメン彼氏にバックハグされてぱにっくぱにっくでやんすの。

もうさ、これぇ…溶けちゃうよね

サクマさん、このまま液体化しちゃうよ


「おい。お前自分の世界に入んなよ」

「俺の相手しねぇとかウザ。」と舌打ちしてオレの左耳骨を軽めに噛んできたしょっぴーにまた変な声が漏れる前に咄嗟に手を口に当てたのに掴まれ

「んぁ、っ、!」

思っきり変な声でた。いじわるぅ!!!!


もお!!何してくれんだよォ!!!


「ふっ。エロ」

耳元で笑い声が聞こえて一瞬ムカついた

誰のせいでこんな目に!!って


そんな思いで睨みつけようと振り返ったのが失敗だったことに気づいた時には

「んぅっ……っ、!?」

想像以上に至近距離にあったしょっぴーの口に容赦なく塞がれてた。

息ごと吸い込まれるかのように舌を吸い付かれたり噛まれたり、舌に犯されたり


ホントにじょーずだよね。しょーたくん

サクマさんなんて今でも慣れずに子供でもできちゃうフレンチキス止まりよ!

ぶっちゃけ言えば、こんなに積極的な恋人のスキンシップに対して興奮してる。

それはそれは泣けちゃうほど嬉しい。

嬉しいし恥ずかしいけど、オレが年上だからってのがあるから、サクマさんも頑張りたいのよ。

でも、ほら…なんたってサクマの彼氏、自慢に聞こえるかもだけど、チューがじょーずなのよ。


だから熱いキスの攻撃にされるがままでいつまでたっても何も出来ないの。くやチー!!←

そんな葛藤してる間にオレは何故か近くにあった机の上に押し倒されていて既に抜け出させない甘い雰囲気に呑み込まれて頭が完全に朦朧しだす

「んぅ、っぁ、…っ、はぁ、////」

漸く口内から舌を抜いて離れた


その時お互いの口の隙間から繋がる銀の糸がチラッと見えて、なんだかすっげぇエロティックで、尚オレは興奮した

うぅ…っ、しょーたくんのえっち←

「…可愛い。」

確実に弱々しく呼吸して寝そべるオレを真上から見てる涼やかなあの目はいつもの距離置いた冷めたものではなくて、2人っきりの時にしか見せてくれない優しくて温かさが滲み出てる感じだ

あ…久しぶりにこんな顔見たなぁ


「っ、」

そして気づけばオレの頬に何かが伝ってた


コイツは人たらしでいつも主人の頭を悩ます手のかかる小犬みてぇで、なのに気が利いていつの間にか人の懐に入っていく才能があって、でも笑えるほど不器用で意外と強がりで犬のくせ甘え方が下手くそ


あと、本当は繊細で寂しがり屋で泣き虫な奴。

自慢じゃないけど俺はメンバーが知らない佐久間のことをたくさん知ってる


本当は傷つきやすくて人の顔色を伺って犬みたいに耳を立てたり垂らしたり尻尾を振ったり垂らしたりしてるし、アニメオタクなのは事実だろうけど現実の女にもめちゃくちゃ『可愛い可愛い』とデレデレ鼻の下伸ばす健全な男だし、つかお前の方が可愛いし色気あるしどんな女よりも綺麗だし好きだし、


……待って。何言ってんの俺

惚気とかめちゃくちゃきもい。

でも…事実だし、たまには…いっか。


そんな気持ちのまま組み敷いた佐久間を見つめる目は恐らく甘くて吐きそうなくらい優しくなってる気がする。


「…大介……好きって言えよ」

その証拠に幸せそうに目を細めてコイツは気づいてねぇだろうけど綺麗な涙を一筋流してた。

「ほら…ん?」

だから俺は至近距離で佐久間のソレを優しく拭いながら零れた名前と願望を零して更に意地悪く促す



ほら早く「好き」ってお前のその忙しくて鬱陶しくて可愛いくて愛おしい口と声で奏て俺を安心させてくれよ


そう秘めた本音を胸の内で唱えながら上半身裸の恋人を見つめる。


「……っ、き」

「聞こえねぇ」

だめだ。そんなの許さねぇ。

ほらいつもみてぇに無駄口叩くつもりで大声で言ってみろよ。何なのお前さ。

純情ぶって小声とか許してやんないよ?

そんな身勝手な俺を…好きって言えよっ

「っ…す…っき、っ、」

「もっと」

「すき、っすきぃ、っ!しょーたがすきぃ…っんぅっ、」

「……俺も。大介が好きだ」

「!!…っ、う、うれぴーまんで、す」

「ふははっ。お前やっぱ…可愛いな。」


意地悪く促したら大きな目に沢山涙を溜めて充分潤った瞳の中に俺を捉えたまま懸命に愛を叫ぶ可愛いくてムカつく小犬に、ご褒美としてキスをプレゼント。

軽く重ねるだけのソレを優しく離してから目を見て俺も愛を呟いた後、今度は愛おしい口には触れずサラサラした前髪をかき上げて現れた額に口を寄せてみる。


そしたらコイツは顔を赤めたまま普段のキモイキャラ口調で喜びを示すから

俺も普段通りにディスる気で口を開いたけど、さすが欲に忠実な俺は今の気分が愛撫でたい気分って事で素直に褒めてしまって恥ずかしくなったから赤くなる前にコイツの目を手で覆って本日何度目かのキスを仕掛けてやろうと顔を寄せた。





久しぶりに交わしたキスは、仕事で使用した楽屋の一角でスリル満点にハラハラしながら愛おしい小犬にドキドキさせながら満遍なく味える2人っきりというシチュエーションに優越感を胸に秘めながら互いの唇が赤く腫れるまで夢中になって…味は俺が食べてたグミのサイダー味ですっげぇ甘かった。


…日本語おかしいと思うのは知ってる。


つまり、大介が好きって事。悪ぃ?
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