skmくん受け1

□月明かりと紅玉
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2020年7月4日 23時59分55秒

佐久間の生まれた日へと日付が変わる数秒前。ぐっ、と腰を引き寄せられ、0時ぴったりに深いキスを落とされる。それと同時に休む間もなく通知が届き始め振動しっぱなしの佐久間のスマートフォンを見るな、とでも言いたげにノールックでチェストに置いた渡辺は、何度も角度を変えて佐久間に口付けた。

酸欠で死んでしまうのではと思う程にしつこく濃厚に口内を貪られた後ようやく唇が離されて乱れた息を整えていると、頬をさらりと撫でられながら「ねぇ、目瞑って後ろ向いてよ」と優しく囁かれた。言われた通りに後ろを向き目を瞑ると、少しの間を置いて佐久間の首にシャラと小さな音を立てながらネックレスが掛けられた。

「いいよ」という先程よりもさらに甘い声を合図に目を開けて渡辺の方に向き直した佐久間は、ゆっくりと自らの首元を見ると、そこには銀色の細いチェーンに通された指輪がベットサイドのランプに照らされて光っていた。「えっ…」と驚きながらほんの少し震える手でそれを持ち上げて見ると、内側に小さな石が埋め込まれているシンプルなリングだった。

「誕生日おめでとう、佐久間」

「これ、って……」

「分かっちゃった?……佐久間、俺と結婚してください」


渡辺とこの関係になって初めての誕生日。まさかこんなサプライズがあるとは思ってもみなかった佐久間は、渡辺の肩に顔を埋めてわんわん泣き始めてしまった。そんな佐久間の背中を、今までに見た事がないほど優しい顔をした渡辺が撫でる。


「で、返事は?」

「…っ、いいに決まってんじゃん!しょおたと結婚する……!」

「ん。ねぇ、佐久間」

「…だいすけってよんでよ」

「ふは笑 愛してるよ、大介」

「おれも、……あい、してるよ?」


いつの間にかランプが消されていた部屋の中、月明かりに照らされた2つの影が重なってシーツの海に沈んでいった。





おまけ(翌日の会話)


「あの翔太があんなロマンチックな事するなんてね〜」

「うるせぇ!俺だって色々考えたんだよ……」

「それより佐久間さん腰痛い」

「はぁ?スルーかよ。それはお前が可愛すぎるのが悪い」

「可愛くないでーす。朝から盛らないでくださーい」

「可愛いから。イく時に指輪握りしめるとか可愛すぎんだろ。しかも朝起きたら裸エプロンで料理してるとかさ。」

「解説しなくてよろしい。あと裸エプロンは標準装備なの」

「だからそれがエロいんだって。なに?もう一回ヤっとく?」

「これ以上盛ったら婚約破棄でやんす」

「すいませんでした」
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