skmくん受け1

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クッションを抱いてうつ伏せた俺の腰をかかえて、翔太が後ろから少しずつ自身を埋めてゆく。キスとかは強引なくせに、このときはいつも翔太は慎重。ちょっとでも俺が呻くと宥めるように腰を撫でて待ってくれて、焦れずに時間をかけて奥までやさしくひらいてくれる。
「佐久間、大丈夫?」
翔太の指が、背中をツツと這い上がってうなじのすぐ下をじわりと撫でた。普段はあまり意識しない場所だけど、翔太がキスのときにも入れてるときにもよく触るので変に感じてしまう。ホクロがあるところなのだと気付いたのは最近だ。
「佐久間?」
「……ッア、ん」
返事を促すのに、腰を小さく揺すりあげるのは効果がないと思う。高い声が出ちゃうだけで、ハイもイイエも答えられない。
すると、それまで退屈そうにしていた深澤がのそりと俺の前に移動してきて、長い指を顎にかけた。くいと仰向かされ、間近から目を覗き込まれる。静かな瞳に、とろけた自分の顔が映り込んでいて、ぶわりと羞恥に包まれた。
「赤くなった、」
にや、と深澤は笑って、背後の翔太に声をかける。
「佐久間大丈夫だって。とろとろの顔してる」
「あっそ」
深澤の手が、俺の髪や耳を無造作に撫でる。犬を褒めるみたいな手つきだけど、俺はなんでかこれが好きで、身体からぐにゃぐにゃと力が抜ける。
「佐久間、俺も気持ちよくなりたいんだけど?」
首を傾げてそう言う深澤の意図が読めなくて、潤んだ目をゆっくりしばたたかせた。俺の鈍い反応に深澤はちょっと苦笑しながら、指の腹で唇をしっとりと辿る。
「できる?」
なにが? と吐息で訊ねると、翔太が「ストップ」と口を挟んだ。
「それは駄目。渡辺倫理委員会を通らない」
「……なべ倫うぜー」
ふたりの会話が頭上を小気味よく行き来する。
「佐久間だって俺と同じ意見だから」
「そんなん言うならそこ代わってくれませんかね」
「じゃんけんで決めるって言ったのおまえじゃありませんでしたかね」
仲がいい。
していることは常識ではちょっと考えられなくてとんでもないけど、俺たちの関係性そのものは小学生の頃からなにも変わっていないみたいだ。
「佐久間もそう思うでしょ」
急に翔太に話を振られて、ぺち、と軽く尻を叩かれる。
「なにが……?」
「チューとフェラだったらどっちがいいの?」
「翔太おまえ、その二択は卑怯だろ」
そっか、さっきのは俺に舐めてほしいっていう意味だったのか。気づかなくて大変申し訳ない。
したことはないけど、たぶん深澤のだって翔太のだって、普通に舐められると思う。ふたりは信じないかもしれないけど、俺だってふたりのこと大好きなのだ。想像の時点で抵抗というものがまったくない。
だけど、どっちがいいかといったらそれはキスがほしい。翔太に突かれながら深澤に舌を噛まれるのを想像したら、下腹がキュッとなった。
「ん、佐久間の中キュウキュウしてる」
「ア…っ、しょ、った……ッ」
「ね、気持ちいいね、佐久間?」
「ぅ、ン…ッ、きもち、い……っ、しょうた、」
「……佐久間、俺は?」
「ふっ、……か、ア…っ」
目を合わせて呼ぶと、深澤はひょいと眉を上下させて、諦めか呆れか、どっちともつかないようなため息を深々とついた。
「いいよ、チューしよ。おいで佐久間」
両肘を下から掬うようにして持ち上げられ、うつ伏せていた上半身が宙に浮く。膝立ちで向かい合った深澤の腕を辿りながら口を開けると、斜めに近付いた唇がすぐに深く重なった。
普段は意地悪なのに、深澤のキスはすごく優しくて情熱的。激しいのに、ときどき鼻先や額を擦り合わせて息を継がせてくれて、俺に主導権を渡してくれることもある。
乱れた俺の髪をうしろから手探りで梳いてくれていた翔太が、ゆる、と腰を遣いだした。ぱちゅ、と水音がひそやかに弾ける。
「ン…!ぁ、ふ……っ」
回り込んだ翔太の両手が乳首をきゅむきゅむと摘んで、深澤の手は耳や首筋をなぞりながら這う。それに、キス、ピストン。
快感を一気にたくさん流し込まれるのは痛いのとか怖いのに似ていて、だけどやめてほしいとは思わない。ふたりがいれば大丈夫。ちゃんと抱きしめて撫でていてくれれば、ぜんぶちゃんと気持ちいいこととして受け止められる。
「……なべ、おまえゴムつけてんの」
「ノーコメント」
「なあ、それはむしろ深澤倫理委員会が許さねえんだけど」
「おまえの倫理観おかしいんじゃねえの」
「おまえだわ」
仲がいい。
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