skmくん受け1

□律儀な小犬と身勝手な主人
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「あー!!!!!!こーじぃ!!それサクマのかったお菓子だぞぉ!!!」

「んえ?!ほんま?!まぁ…ほら。さっくん口アーンし?」

「……あー………!!!うまぁ!!!」

「アハハッ!!さっくんの単純な所めっちゃ可愛いくて好きやで俺」




「………」

「顔やばい事になってるぞー。しょーたー」

「……うっせ。」


はぁー。これは大変な事になりそうだ。

俺は斜め前で2人がけソファーで仲良くじゃれてるうちのバラエティー班を見てから横に居る顔面が良いと評判多々ある塩顔イケメンで時たまバブくて5歳児と周りに可愛がられてるうちの美容隊長さんを見てから何となくスマホを弄りながらさり気なく溜息を吐く。


ハッキリ申す。バラエティー班の佐久間と康二は知る人が知る距離感バカ同士

今も狭いソファーに窮屈そうに寄り添いながらイチャイチャして楽しんでる。

康二が何食わぬ顔で顎を撫でてるのを嫌な顔せずされるがままの挙句に甘えるようにして手に頬を擦り寄せて目を細める佐久間…

そんな彼は僕のシンメです。はい。


そんな2人に対し、何処からか「気持ち悪い。2人」と辛辣な言葉が飛んできたけど何やかんやこの2人の絡みは好きだと言われて推されてるからか、結局は周りも何やかんやで見守ってるオチ。


だが。1つ…いや大分問題が


それは隣でその2人を真顔で凝視するこの男が最も【厄介】でありまして、

「…チッ。」

「…翔太…」

今の舌打ちは数十回目のもの。
眉間に皺が少しだけできてる時点でこの人は相当、機嫌が悪いことを示してる。

その証拠に俺が「佐久間達を露骨に目で殺すのはやめてあげようね」と優しく指摘しても「うるせぇ」の一言で遮るだけ。

……はぁ。こうゆう時の翔太を止めれる館さんは運悪く撮影中で不在。

だとすると、もうアイツにしか頼れない



「………ねぇ翔太。そろそろ佐久間に言えば?」

「…何を」

「『恋人の俺を差し置いて他の男とイチャイチャするなんて浮気者ー!』って←」

「…お前みてぇにあざとくねーから」

「うわ。今の悪口として捕らえようかな」

「………。」

「………はぁ。」


あ、申し遅れましたが私、Snow Manの阿部亮平と申します。


兎に角ご覧の通り俺は毎回この不器用で意地っ張りで嫉妬深い困りもの5歳児さんを宥めてるわけです


「阿部」

「…?なに?」

急に呼ばれて一瞬驚くもオーバーリアクションをする性格でもないからそのまま平然と返事する

「どうかしたの」

突如話しかけてきた翔太は不機嫌丸出しで俺を横目で見てた。おい態度な。

「………アイツ何で俺にはアソコまでしてこねぇくせに他の奴らに甘えんだろ」

ボソリと喋る中で聞こえた言葉は単なる意地け文句。本当に呆れそう。

……あーもう。ダルッ。

先程まで不良感満載だったのに、今は口を尖らせてまるで悪戯し過ぎて怒られた子供。でも視線はずっと佐久間だから、ここまで執着する翔太には呆れ通り越して寧ろ尊敬。そんな事思いながら拗らせお兄さんに話しかける。


「だから言えば?素直に」


溜息をつきつつ言えば、漸く俺の顔を見て


「は?俺が嫉妬深いみてぇじゃん」


何言ってんだお前?と怪訝な顔で言う翔太に一言、いや二言だけ言っていい?

いやいや!アンタ嫉妬深ぇよ?!
そんなの満場一致だからね?!!!

まさか嫉妬してる事に気づいてないとわ。本当に何処までも拗らせていて面倒臭い。

…。仕方ないなぁー。本当にこの2人はっ


とりあえず再び視線を戻して監視する不良幼児にアドバイスをさっさとして速攻解放されよう。と念の為に長めの溜息を吐いてから話しかける

「…あのさ翔太。何も行動に出さずにそうやってずっと見てるだけだとストレス溜まる一方だよ。言いたい事あるなら言えばいいでしょ。アンタそうゆうタイプじゃん。何に怖気付いてるの」

「……俺だって…好きでストレス溜めてんじゃねーぞ…」

「…はぁー。本当に面倒くさい2人」

「おい。」

「…そんな執着心持つくらいなら、確り手網を握ってなよ。」

「……」

「あ、そろそろ出番だから。じゃ」


反論をしない翔太を置いてスタジオに向かおうと騒がしい楽屋の扉へ向かう。


バタンッ


とりあえずアドバイスはしたぞ。後は渡辺君次第。さて、どう転がるかな。


「佐久間ー。チョコ食う?」

「え!いいんでやんすか?!」

「ふははっ。お前、いちいち反応うるせぇ」

「にゃははっ!ヒカルはそーっんなサクマの事、ラブいくせに〜♡」

「……チョコやんねーぞ」

「!!嘘!嘘だからチョコをぉぉぉ!!」

「なんかウザイから無しで。」

「ヌノォオオオ!!なっんでだよぉお!!」

「アハハ!!!」




「…………。」


なんだよ。康二の次は照かよ。タラシめ。

阿部が居なくなって隣が寂しいのなんて気にしてられねーくらい俺はある奴を観察中


「ん〜♡うまい!!」

「でしょ?ここの店ママのお気に入り」

「あー!ヒカルママッぽーい!!」

「お前、適当な事言うなよ」

「うぇえ?!いってねーよぉ?!!」

「…何だって?」

「うぇえ?!い、っぶはあ!あははっ!」

「っく、っお、お前いきなり、わ、笑うな、っくははっ、!!」




「……チッ。」

仲良しアピールしてくれちゃって。

まぁ、いわさくコンビは俺も推してるし。コイツらの絆は誰もが認める…うん。

だからカレカノと言われる程密着するのも仕方ないのかもしれない。正直見てて微笑ましいっちゃ微笑ましいし。


でもそれは仕事中のみの気持ち。

だから言わせてもらう。


おい。誰が楽屋でもイチャつけと言った!


いや、照だけじゃなく康二もか。

アイツは人の懐に自然とはいる才能がある

勿論、俺は真似出来ない。だからこそ憧れてはいるが、似たもの同士の佐久間を独り占めしてるのは良くない。

うん。全っ然良くない!


つか佐久間め…。

お前はチョコ食わせてもらって、そんな乙女の顔してんじゃねーよ!!彼女か!!


大体そんなの俺だって出来るわ!!


…たぶん。



「……チッ。」

さっきから舌打ちしてばかりだなと気づけば苦笑いしてた俺の隣から軋む音が聞こえチラッと見る

「しょっぴー顔死んでるよ。」

「…おい。いきなり失礼だな目黒」

「ふふっ。顔は嘘だけど目が死んでるのは本当だよ。」

「……眠ぃからじゃね?」

「……へぇ」

「………。」

誰かと思いきや歳のわりに色気悶々で俺が喉から手が出るほど欲しい身長と甘いルックスで見た目クールに見えるくせに、中身は愛くるしいポンコツ。そんなコイツは俺の弟的存在でもありシークレットフレンドな目黒。


つか目黒ぉ…お前の洞察力は今の俺からしたら凄い苦しいって。


「佐久間君」

「!?!」

え?何でいきなりアイツの名前?

「…やっぱり」

頭が追いついてない俺が瞬きもせず目黒を見つめてたらドヤっとしやがった。なんだその顔。様になっててムカつく。

「…ふーん。なるほどね」

「…何だよ」

「んー。薄々気づいてたんだよねぇー」

「……は?」

「二人の関係」

「…。」

ダメだ。このまま人を見抜かす目を見てたら俺なんか変なこと口走りそう。

危機感持った俺はこれ以上何も言わず再び佐久間を監視しようと目黒から顔を逸らす

その様子を見て目黒も同じく佐久間の方を見てから「しょっぴー、素直になるのも時には大切だよ」と言われた事に「…うるせぇ」と一言で締めた。

阿部と同じようなこと言いやがって…。
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