ハニ受け3

□eat me
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スニョアは待てが出来ない。
ほら、今だって。
キスしたくてうずうずしてるスニョアの口を手で遮り待てをするけど、手のひらを舐められ指の付け根を甘噛みされる。

「スニョア」
「ん」
「待て」
「無理」

宥めるように顎先を擽れば、可愛らしく従順に喉をぐるぐると鳴らす癖に、視線は鋭く、獲物を狙うそれだ。
昨日あんなに好き勝手に貪っておいて、まだ足りないの。
手首に触れるスニョアの唇が熱い。

「ヒョン」
「…なに、駄目だよ」
「まだ何も言ってない。今日はなんでそんなに駄目が多いの」
「そういう日だから」
「ふぅん。ちゅーしていい?」
「可愛く言っても駄目」
「なんで」
「ちゅーだけじゃ済まないだろ、御前」
「いい子にするから」
「……、」
「ね、ヒョン、お願い」
「…舌は入れちゃダメ。守れる?」
「うん」

俺の手にスニョアの手が重なる。
ちゅ、と可愛らしい音を鳴らし、触れるだけのキスが落ちる。
約束を守って何度も唇に触れては離れていく柔らかな感触は心地が良い。
うっとりとしていたその矢先、唇に違う熱が触れた。
あ、と思った時にはもう遅くて、僅かに開いていた唇の隙間からスニョアの舌が入り込んだ。
咄嗟に押し返そうとするが、手はがっちりと捕まえられ身うごきが取れない。

「ん、っ……」

舌を絡め取られ、熱が混ざる。
スニョアの舌先が上顎を擦り、思わず声を漏らすと、嬉しそうに、きゅ、と細まる獰猛な瞳。
俺の弱いとこも、好きなとこも全部、勝手知ったるや、咥内を好き勝手に犯そうとするその舌に噛み付いた。

「いっ…!なんで噛むの!」
「舌は入れるなって言った」
「う……それは、だって…」
「うそつき」

逸らされた視線と、しゅんと垂れた頭。
少し甘やかし過ぎたか。

「約束守れない子は嫌い」

俺の言葉にスニョアが勢いよく顔を上げ、捨てられた子犬のような目を向けてくる。
そんな顔したって駄目。
躾はちゃんとしないと、ね?

「罰として、一週間俺に触るのを禁止します」

スニョアの顔が面白い程、絶望に染まった。















俺のものを一生懸命咥えるヒョンの頭を撫でる。
指通りのいいさらさらの髪は梳く度にいい匂いがした。

「スニョアがすげぇ、苛ついてた」
「ん……そうなの、?」

アイスでも食べるみたいに、竿を下から舐め上げ、あむ、と柔らかな唇が亀頭を食む。
ちゅう、と先端を吸われ、舌先が鈴口を弄る。

「っ、は……一週間も、ヒョンに触れないなんて、彼奴には、酷だろ」
「…ん…ぅ…そうじゃなきゃ、おしおきにならないでしょ」
「楽しんでるだろ、悪い顔してるよ、ジョンハニヒョン」
「そう?わかんない…ん、今は、ジフナの事気持ちよくするので、頭いっぱいだから、」
「ん、ちゃんと気持ち良いよ」

小さな口をいっぱいに開き、俺のものを奥まで迎え入れてくれる。
舌で裏筋をなぞりながら、ヒョンの手が睾丸を柔らかく揉みしだく。

「ぅ、あ…ッ…」

思わず漏れる声に、ジョンハニヒョンは嬉しそうに奉仕の手を早めた。
俺の弱点なんて、全部分かりきっているのだろう。
ブロンドの頭が緩やかに上下する度、既にはち切れそうなくらいに勃起したそれがジョンハニヒョンの咥内に擦れ、気持ちよさに歯をくいしばる。

「ん、ん…っ…」

時折、先端が喉奥に触れるのか、苦しげに顰められる眉に、酷く興奮した。

「っ、く……ヒョン、ごめん」
「ッ…!?ぅ、ぐ…んん…っ…!」

ジョンハニヒョンの頭を抱え、腰を揺らす。
喉奥を亀頭でぐっと突くと、俺の太ももにジョンハニヒョンの爪が食い込み小さな痛みが走るが、それさえも可愛くて仕方がない。

「ッん…ん…っ、」

先走りと唾液がぐちゃぐちゃに混ざり合い、空気を含んではいやらしく音を立てる。

「ヒョン、っ…くち、出して、いい…?」

身を屈め、頭のてっぺんにキスをし飼い主の伺いを立てると、長い睫毛が頬に影を落とし、熱い舌が俺の性器を奥へと招き入れた。
喉奥で、きゅうと亀頭を締め付けられ、その瞬間、耐えきれず咥内へと白濁を吐き出す。

「…ッ、は……」

俺が全部出し切るのを待ってから口を離し、ジョンハニヒョンは2、3度ゆっくり喉を鳴らし精液を飲み込む。
それから、子猫のように舌先で先端を舐めお掃除フェラまでしてくれる。
けれど、そんなことされたら、俺の愚息は簡単にまた元気になる訳で。
ジョンハニヒョンの腕を引き、膝の上へ抱き上げ、淫らに濡れた唇に噛み付く。

「今度は、俺がヒョンを食べる番」

一瞬、飼い主に触って貰えないフラストレーションでアイドルとしてあるまじき顔をしていた同胞が脳裏に浮かんだが、鼻で笑い飛ばし頭の外へ追い出した。
今はこの甘い肢体を独り占めしたい。
















額を伝う汗を、ジョンハニヒョンが袖で拭う。
不意に、袖の隙間から二の腕が覗いて、白く柔らかそうなそれに思わず喉が鳴った。

「……ブチ犯したい」
「おいアイドル」

ジョンハニヒョンを視界に捉えたまま、ぼそりと呟くと隣にいたジフナに頭を叩かれる。

「今日で終わりだろ?」
「あと6時間57分」
「何お前こわ」
「1日1回はジョンハニヒョンといちゃつかないと死ぬのに、もう無理、俺まだ生きてる?」
「嗚呼。死んでんのにこんな鬱陶しいくらいの存在感あったら逆にすげぇわ」
「ありがとう」
「褒めてねぇけど」
「ジフナはいいよなぁ…俺がこんな辛い思いしてるっていうのにジョンハニヒョン独り占めし放題…」
「そもそもお前が言う事聞かないのが悪いんだろ」
「そうだけどさぁ……ジョンハニヒョンを前にして待てをしろって言う方が無理。この一週間何度虚しく自分で息子の世話をしたことか」
「可哀想に。お前が自分のこと慰めてる間、俺はヒョンにいっぱい遊んで貰ったけど」
「殴っていい?」
「お触り禁止期間延長されたいならどうぞお好きに」
「くっそ……」

視線の先にいたジョンハニヒョンが、俺たちに気付く。
緩められた目尻に、ひらひら振られるあの華奢な指先に噛み付きたい。
桃色に艶めくあの薄い唇を食んで、柔らかな咥内を虐めたい。
行き場のない熱ばかりが腹の奥で燻った。



















欲を孕んだ視線が、ずっと背中に触れている。
俺を狙う貪欲な瞳と鋭い牙がちらつくたびに、教え込まれた快感は従順に、腹の奥を疼かせた。

「エロい顔」

淡々とした、けれど確かに熱の篭った声に顔を上げる。
鏡ごしにウォヌと目が合った。

「最近、ヒョンの飼い犬一匹減った?」

背後から、ウォヌが洗面台に手をついて俺を間に閉じ込める。

「減ってないよ。今、待ての躾をしてる最中だから」
「なんだ、残念」

振り向いた拍子に、柔らかな感触が唇に触れた。
鼻筋にウォヌのメガネのフレームが当たり音を立てる。

「一匹減ったなら、その場所奪おうと思ったのに」

また、ちゅ、と触れては直ぐに離れていく唇。
手の甲で頬をさすると心地好さそうに目を細め擦り寄ってくるウォヌは、猫のようで可愛らしい。

「俺の方が躾の出来た良い子だよ」
「俺に飼われたいの」
「そう。ヒョンのものになって、ヒョンを独り占めしたい」
「可愛いね、ウォヌや。でも、駄目」

あの二匹は、酷く嫉妬深いから。

「お前の喉元が噛み千切られるのは見たくない」

ウォヌの腕をやんわりと解いて抜け出す。
面白くなさそうな少し拗ねた表情に笑って、ウォヌの頭を片腕で抱き寄せる。

「…また、今度ね」

耳に口付け、内緒だよ、と。
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