skmくん受け10

□大好きで大切な人
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「さくまくんのおうちだー」

佐久間くんのおうちは玄関開けるとふわりと優しい香りがしてなんだか凄く気持ちが落ち着く。
車と家の鍵を置いた横には可愛らしい緑色のヘアバンドした女の子が飾られてて、佐久間くんの家って感じ。

「はい、どうぞおはいり下さい」
「お邪魔します」

靴を丁寧にそろえて脱いで、慎重に部屋に入ったら笑われた。

「いや普通に入ってこいよっ」
「だってなんか好きな人の部屋に入るの初めてで緊張しちゃう」
「っ!!す、好きな人?!」

本当の事なのになんでか真っ赤になってしまった。

「なんでそんな真っ赤になるの?」
「いや、急になんか・・・」
「本当のことだし」
「いや・・・まぁその・・・と、とりあえず適当に座ってて」
「はーい」
ジャケットを脱ぎ、鞄と共にソファの側に置いて部屋を見回していたら、隣が寝室なのだろうか佐久間くんが部屋着であろう緩めのパーカーを羽織って出てきた。

「何で立ってんの?」
「お部屋綺麗にしてるなって思ってみてた」

リビングにある少し大きめのソファに腰掛ける。
「ソファ大きいね!」
「寝落ちしても身体が痛くないように寝て確かめて買ったやつだからな」
「寝落ち前提なのまじウケる」

炭酸水を注いだグラスをローテーブルの上に置いて、テーブルの上に置かれていた雑誌とゲーム機なんかを邪魔にならないように横にずらす姿に、あーここで生活してるんだなぁなんて当たり前の事を思いながらその仕草を見つめていた。

「ツアー中だから冷蔵庫の中なんもなくて、ごめんな」
「ううん。僕こそ、急に来たいっていってごめんね」
「いや、それは別にいいんだけど、どしたの?なんか話があるの?」
「うーん。話っていうか・・・」
「うん」

「佐久間くんとえっちな事がしたいなって思ったら居ても立っても居られなくて押しかけたの」

それを聞いた佐久間くんがドタドタッとソファから転がり落ちた。
本当にこういうことあるんだ。
真っ赤になってラグの上から俺を眺めてるけど、上目遣いが凄く可愛い。あざとい警察案件だよ。

「え、え?なに?」
「僕、佐久間くんに告白したでしょ??」
「あー・・・えっとまぁ・・・」
「だけど佐久間くんチューもさせてくれないじゃん」

「いやだってお前、告白されたの2日前だよね?今日までなんならさっきの仕事まで会わなかったよ」
「うん。でももう2日だよ?昨日、会いに行きたいって言ったら断ったの佐久間くんだし」
「だって深夜に今から行くって、翌日学校がある奴が言う台詞じゃないし...それに...やっぱり冷静に考えると...あの11も差があるのは・・・」
「一緒に働いてて同じようなお給料貰ってるのに、年なんて関係ないって何度もいってるよね」

「いやまぁ...そうなんだけどさぁなんというか・・・」

「あ、何?もしかして体力的なもの?エッチしたら俺についていけないかもって思ってたりする?大丈夫無理はしないよ。優しくするし、相性はやって見ないと分からないでしょ?」
「い、いや体力だけは負けない自信はあるんだけど...」
「じゃあ何さ」

佐久間くんに近づくためにソファから下りて、真っ赤になってる顔をじぃと見つめたら、ふぃっと目線を逸らされてしまった。

「なんで逸らすの!」
「うううっ...イケメン過ぎて直視できない..」
「そんなんじゃこれから困るよ!ほら僕の顔見てっ!慣れて!」

丸い頬を両手でつかんで無理やりこちらを向かせてみた。
顔が小さ過ぎて、頬を挟んでる手が余ってしまう、岩本くんが映画撮影時に手が余ったってのはこういうことなんだな。

髪の色より濃い色になった頬と耳、首筋までも赤く色づいちゃってる。

「・・・恥ずかしい...むり...らぅ...眩しすぎるぅ」
きゅるきゅるな目をぎゅぅっと閉じてしまった。

「...さくまくん」
「んにゅ...」
「ねぇ佐久間くん、俺、佐久間くんが好きなんだよ」

僕から俺に変えたの気がついたかな。
いつまでも子供なラウールじゃないって気がついて欲しい。
10代でも30代でも何も変わらないって分かって欲しい。
年齢はどんなに頑張っても一生埋まらないものだもの。
だったら違うところで埋めていきたい。
もっともっと頑張って佐久間くんの隣に立つ男になりたい。

「芸能界なんて20、30離れてても結婚してるじゃん。なんで俺と佐久間くんはダメなの?」
「・・・そうなんだけど...」
「メンバーだからとか10代だからとかそんな事どうでも良いの。ぜーんぶ忘れて人として俺の事好き?嫌い?」

捲し立てるように佐久間くんに詰め寄ってみた。
まだ目は固く閉じたままだ。

「俺の事苦手なの?」
「・・・苦手じゃないし嫌いでもない...よ」
「じゃあなんで俺の顔、見ようとしないのさ?」

「ううう...モロタイプの顔面が迫ってきたと思ったらこの間から俺の事を好きとか言うしもしかしたら康二のドッキリかもなって自分を誤魔化したりしたけどまた改めて言われてどうしていいか分かんないしなんだよこれ地球滅びるの?夢なの?異世界なの?知らないうちに転生してた?婚約者にざまあするとか?辺境伯爵に嫁がされるの?」
「ねぇ。いま、息継ぎした?とりあえずさ、目開けてよ」
「...ん」

恐る恐るといった感じで静かに目を開けてくれた。
俺を見つめるその目はうるうるで今にも雫が零れ落ちそう。
ドロップみたいで甘そうな雫だなと思って、目尻のそれを優しく舐めてみた。

「甘...」
「ひゃぁぁ...ら、らぅ...」

顔を赤くして自分の事を呼ぶその声が俺の中の何かにぶっ刺さった。

「ねぇ、うぶうぶ過ぎて可愛いけどさ、もしかして童貞?」
「ばっ!違うわっ!魔法使いはちゃんと回避してますっ!やだもぅラウの口から童貞なんて言葉聞く日が来るとは思ってなかった!」
「じゃあ処女?」
「っ!しょっ??!」
「あ。良かったそっちは初めて貰えそう」
「もうやめてぇ...佐久間さんのHPはゼロよ...」

いつもの佐久間くんに戻りつつあるから少し真剣に思いを伝えてみた。目を見てドッキリでもない演技でも無いことを分かってもらいたい。

「佐久間くん、俺は貴方が好きです」
真正面からぶつかろう。きっと大丈夫。

「だからエッチな事がしたいです」

さっきまで困り顔で泣きそうだった顔が下を向いて照れた様に笑った。

「んふふ...素直すぎてちょっとウケる、若いって怖いなぁ」
笑ってくれた。顔はまだ真っ赤だけど。
「だってガチだし」
「…ガチかぁ…」
そういうと佐久間くんが今日初めて俺の目を見てくれた。

「その……俺もラウールが好きだよ」
「それはガチ?恋愛的に?」
「………恋愛的に…ガチで好きだから…」

「やったぁぁぁぁ!」
ぎゅうぎゅうに抱きしめた。
細いし小さいし可愛いしなんかもう全部が好き。

「苦しいって、ちょっとラウ」
「あ、ごめん、嬉し過ぎて加減できなかった」
「喜びすぎ」

さっきみたいに両手で頬をもち顔をあげる。

そっと唇を啄むようにして口づけてみた。
甘くって柔らかくってマシュマロみたいだなぁって思う。美味しい。

「んっ・・・んぅ・・」

何度か繰り返してるとうっすらと口が開くので誘われるままに舌を入れてみた。
「んっ」

身体ごと押し返そうと力を入れてるようだけど、
キスされてる方に意識が言ってしまってるらしくて全然力がはいってない。

後頭部を抑えて逃げないように深く深くキスをする。
舌に触れれば、そっと舌を絡ませてきてくれた。
佐久間くんってキス上手なんだ...気持ちよくて...絡む舌も混ざり合う唾液も全部が甘くて気持ちいい。
初めてするキスだけど、本能でなんとなく出来るもんだなぁとどこか他人事のように思いながらさくまくんの口内を味わう。

「ん・んぅぅ・・らぅぅ・・・」

ふはっと口を離せば2人を繋ぐ銀糸が垂れた。
「うわっ綺麗・・・」

ねぇさくまくん
もう子供じゃないって分かってくれた?

目を潤ませて頬を紅潮させてながら俺を上目遣いで見上げる佐久間くんがあまりに綺麗すぎて身体に電流が走る。

「佐久間くん...」

くったりと腰が抜けてしまったらしい佐久間君をお姫様抱っこしてベッドまで運んで、そっと寝かせるとそのまま覆いかぶさった。
「ラウ」
優しく名を呼ばれたと思ったら、細い腕が俺の首に絡んで来て、嬉しくてまた吸い寄せられるように沢山のキスをした。





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「岩本くん、ふっかさん」
「おぉ、どうしたラウ」
「佐久間くんとエッチしようしたけど失敗しちゃって」

ぶほっ
「えぇ汚....」
漫画みたいにお茶吹き出す人ってやっぱりいるんだ。仕方ないから持ってたタオルをふっかさんに渡してあげた。

「ありが...いや...待って、な、なんだって??」

「なんか勢いだけじゃあヤレなかったんだよ。やっぱりさ男同士って色々準備がいるかな?そういう拡張するやつとか買った方がいいの?」
「...いや、ちょっと...ま、ま、まってラウ」
「なぁに?」
「交通渋滞でなにひとつ整理出来ないんだけど、え?何から確認したらいいかなぁ...いや、待ってね、ちょっと、照起きて、戻ってきて!これ俺だけじゃ絶対無理な予感がする!」

「あ、言うの忘れてた。僕ね佐久間くんの彼氏になったんだ!」

「おぉぉい保護者!ラウールの保護者!康二、目黒!ちょっと来いっ!今すぐ来てっお願い!!弟くんがご乱心です!!」

楽屋に深澤の叫び声が響き渡り、2人の交際は皆の知るところとなった。
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