絆の軌跡〜過去と未来の交錯〜
□巻之拾泗 エピローグ
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八拾壱 半年後
西暦7000年 sideラテ
シルクとフライが2000年代に帰ってからの半年間で、いろんな事があったよ。
まずはハクさんとシリウスさんの探検隊、“明星”なんだけど、活動拠点を[真実の頂]の麓から[トレジャータウン]に移したんだよ。
それ以来、僕達は2人と凄く仲良くなったんだ。
今度、一緒に探検に行く予定だよ。
次にウォルタ君。 彼は[幻の大地]]の調査で功績をあげて探検隊連盟から表彰されたんだよ。
それに、連盟公認の考古学者になったんだ。
学者が公認されるのは異例で、連盟は発足してから4人目なんだって。
ウォルタ君の家族関係なんだけど、彼のお母さんが明日から有給休暇をとったみたいだから、彼のお父さんがいる[幻の大地]でしばらく一緒に過ごすんだって。
そして僕達、“悠久の風”は、2週間前に、ついにギルトを卒業したんだよ!
先輩達を差し置いて僕達が先にしたから気が引けたけど、いいよね?
シロさんは、旅がしたいって言って、各地を飛び回ってるよ。
…………唯一以前と変わったのがシードさん。
チェリーさんが消滅してから、まるで抜け殻にでもなったかのように沈み込んでいるよ………。
恋人との別れだから…………。
ええっと、こんな感じだね。
これから先、いろんな事があると思うけど、何とかなりそうだよ。
これで、全部話したかな?
読者の皆さん、ここまで閲覧して頂いて、ありがとうございました。
みんなに代わって、僕がお礼を言いたいと思います。
本当に、ありがとうございました!!!
………
時限の塔 side・・・
「ツァイト、話があるんだが、いいかな?」
「シロ、どうかした?」
「……………拙者の古い友人の[セレビィ]のシード、知っているかな?」
「自分とも付き合いがあったから知っているが?」
「彼の恋人が消滅してからというものの、人が変わったように沈み込んでしまっているんだ………。」
「あの、シードが?」
「如何にも。………そこでお願いなんだが、[セレビィ]のチェリーをこの時代に呼び戻してはくれないか?」
「……………………古いよしみだ。その頼み、受けいれよう。」
「……すまんな………。」
………
森の高台 sideシード
「……………チェリーがいなくなってからもう半年間か…………。彼女がいなくなって、心に穴が空いたような感じだよ…………。」
…………もうどれだけ泣いただろう………。
もう枯れて涙も出ないよ…………。
「…………そういえば、チェリーと初めて会ったのもここだったっけ…………、」
僕は自然とこの場所に来ていた。
……………あの頃が懐かしいよ…………………。
「…………………?」
僕はふと、辺りに違和感を覚えて後ろに振り返った。
「…………光?」
そこには、淡い光が漂っていた。
「………? 光が、強くなってる…………。……っ!!」
光が拡大したかと思うと、突然激しい光になった。
僕は思わず目をつむる。
「……………収まった………?」
僕はゆっくりと目を開けた。
「…………えっ!?嘘、でしょ…………?」
「…………?わたしは………一体………。消えたはずよね…………?」
そこには色違いの[セレビィ]、………ずっと想い続けた、僕の恋人…………、
「チェリー、だよね………?」
「もしかして、シード?」
……どこからどう見ても、間違いない!!
チェリーだ!!
「うん!」
「本当よ!!」
「チェリー、会いたかったよ!!」
「シード、わたしもよ!!」
僕達はいても立ってもいられず、互いに抱き合った。
本当に、本当に、チェリーだね!!
この後、僕達は堅く将来を誓いあった。
たぶん、シロさん、ツァイトさん、ありがとう。
Fin...