とある青年の物語

□第4章 娯楽の楽園
1ページ/2ページ

19

AM11:45 ライモンシティー南ゲート

ユウキ達は砂嵐で砂まみれになりながらなんとか到着した。

〈なんでいつもここはこんな天気なんだ?〉
〈そうね。この砂が無かったらちょうどいい気候なのに……〉
〈それより、早く砂を落としたいわ♪〉

三者三様につぶやいている。

「たぶんこの辺は内陸からの乾燥した季節風の影響で砂漠化してるんじゃあないかな?」

ユウキが解説した。

〈うーん、難しいからよくわからないよ〜。〉

と、ジャローダがいった。

〈ユウキ、早く砂を落としたいから、早めに宿を取ろうよ♪〉

スワンナは早く砂を落としたいようだ。

〈うん。これじゃあきりがないわ。〉
〈そうだな。いっそのこと洗い流したいな。〉

全員同じなようだ。

「そうだね。今日はここで泊まるつもりだし、そうしよっか。〉

満場一致でポケモンセンターに向かった。

………

PM0:00ポケモンセンター

〈〈〈〈ふー、さっぱりした。〉〉〉〉

エーフィー達は砂を落とし終えたようだ。ユウキもさっきまで着ていた服を洗濯に出して着替え終えている。荷物も置いてきたので、エーフィー達のモンスターボールと財布しか持っていないので身軽だ。

「よし、みんな終わったみたいだし、これからどうする?」
〈私はこの街を見てまわりたいわ。〉
〈俺は皆に任せるよ。シッポウシティーで俺のわがまま聴いてもらったからな。〉
〈僕はユウキの行くところなら、どこでもいいよ〜。〉
〈2人共それでいいの♪?〉
〈うん。〉〈ああ。〉

コジョンドとジャローダは同時に答えた。

〈エーフィーもいいみたいだし、ウチは遊園地に行ってみたいわ♪前から行ってみたかったの♪〉
「じゃあ、決まりだね。行こっか。」
〈〈うん。〉♪〉〈ええ。〉〈ああ。〉

ユウキ達は遊園地に行くことにした。

………

PM0:30 遊園地エントランス

〈ユウキ!ここ入場料いらないみたいだよ♪〉
〈タダよりいいものはないわね。〉
〈ああ。それにしてもここって結構広いんだな。〉
〈そうみたいだね〜。楽しめそうだよ〜。〉
「うん!じゃあ、行こっか。」

ユウキ達が入場しようとした時、

「君はポケモンを縛りつけないんだね。珍しいね。」
「えっ!?」
(あれこの人どこかで見たことあるような………)

ユウキが一人思い出そうとしていると、

「でもかわいそうに、ポケモンの言葉がわからないなんて………」
「えっ、いや、僕も……」
「何か言った?」
「えっ、いや、何も。」
(ヤバいヤバい、うっかり言うところだった。)
「ならいいよ。じゃあ、ポケモン達の声、聞かせてもらうよ!」
(よかったわ、この人にばれてないみたいね。でもどこかで見たような………)

エーフィーも同じことを思った。

「じゃあ、ボクからいくよ!オタマロ!」
〈N、頑張るよ。〉
((N?………そうか!))
「〈思い出した〉」

ユウキとエーフィーの声が重なった。

「やっぱり似るんだね。」
「よく言われるよ。」〈よく言われるわ。〉

(((ユウキ達、ハモってる。)))

こう思わずにはいられなかった。

「エーフィー、お願い!」
〈もちろんよ!〉
「オタマロ、[泡]攻撃!」
〈Nのためなら!〉

オタマロは複数の泡を出した。

〈さあ、お手並み拝見といこうかしら!〉
「うん。まずは[サイコキネンシス]!」
〈いきなり攻めるのね。わかったわ。〉
「君たちは強い絆で結ばれているんだね。」
〈ユウキとエーフィーは十年以上前から一緒みたいだからな。〉
〈そんなに長かったんだ〜。〉
〈知らなかったわ♪〉

その間にもエーフィーは泡を打ち返していた。

「絆か……オタマロ、ありがと。シンボラー、お願い。」
〈…………頑張るよ。〉
「シンボラー、[サイコキネンシス]。

Nは異様に落ち着いている。

「エーフィー、[穴を掘る]でかわして!」
〈ええ。〉
「そのまま中で[めいそう]!」
〈………〉

エーフィーは既に集中している。

「シンボラー、気をつけて。」
「エーフィー、自分のタイミングで[シャドーボール]お願い!」
〈…………ええ。わかったわ。いつもどうりね。〉

そう言うと再び精神統一を始めた。

〈エーフィー、今日はいつも以上に慎重ね♪〉
〈久しぶりのエスパータイプだからな。〉
〈きっとエーフィーなりに楽しんでいるんだよ〜。〉

言い終えた頃に穴から何の前触れもなく、漆黒の球が飛び出した。

「!?シンボラー、かわすんだ!」
〈………うん。〉

シンボラーは当たる寸前でかわした・

〈まさか私の攻撃がかわされるとはね。でもまだまだよ!〉

エーフィーは穴から出てきて、

〈[サイコキネンシス]!〉

さっき放った漆黒の球に技を使った。

「エーフィーならそうしてくれると思ったよ!」
〈もちろんよ!いつもどうり操ればいいのね?〉
「うん。もちろん!」

エーフィーは漆黒の球を操り、確実に技を命中させた。

「!!シンボラー!  あんなに威力のある攻撃ができるなんて………これも[絆]の力なのか……。」
〈私達みんなの[絆]は何よりも堅く結ばれてるのよ!〉
〈これが俺達の最高の[力]だ!〉
〈簡単には切れないわよ♪〉〈簡単には切れないよ〜。〉
「……君のポケモン達はそんな事を言うんだ……。僕は君に興味を持ったよ。君とはまた会うかもね。僕の名前は……」
「N、だよね。」
「えっ、何で僕の名前を知ってるの!?」
「エーフィー達に言われて思い出したんだ。あと君は一度僕達と会っているはずだよ。」
〈そうだな。少し前になるがな。〉
「そうだっけ…………。って、今君のポケモンと会話が成り立っていたよね?」

Nは驚いた様子で聞いた。

「うん。もう気づいていると思うけど、僕もポケモンの言葉がわかるんだ。…つい最近わかるようになったばかりだけど。」
「そうなんだ。僕以外にわかる人がいたなんて………。」

Nはそう言い残し、突然立ち去った。

〈あの人、自由な人ね♪〉
〈そうだね〜。〉
〈だな。〉

スワンナ達はそう呟いた。

「みんな、忘れそうになったけど、遊園地、行こっか!」
〈〈そういえばそうだったわね〉♪〉
〈うん!いこ〜。〉
〈ああ。〉

ユウキ達は思い出したように遊園地に向かった。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ