とある青年の物語

□第5章 伝説との遭遇
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AM9:20 ホドモエの跳ね橋

ユウキ達は橋を渡りきろうとしていた。

「やっぱりこの橋は長いなー。」
〈そうね。久しぶりに渡ったけど、そう感じるわね。それより私は懐かしさのほうが勝っているわ。〉
〈そうよね♪ここはウチらが初めて出会った場所だもんね♪〉
〈そうだな。怪我していたスワンナを助けたのがきっかけだったな。〉
「懐かしいねー。あれからもう3年も経ったんだね。」
〈その時僕はまだいなかったけどね〜。〉

ユウキ達は思い出話で盛り上がっていた。

………

AM9:30 ホドモエシティー

「ホドモエシティーに着いたことだし、いつもどうり観光しよっか。」
〈そうだな。〉
〈もう今では、観光も旅の目的の1つになってるね〜。〉
〈今度私の行きたい所に行ってもいいかしら?〉

エーフィーが突然話題を出した。

〈エーフィーはどこに行きたいの♪?〉
〈ここの市場に行ってみたいわ。〉
〈うん。いいよ〜。〉
〈ああ。〉〈もちろんよ!ここの市場はこの辺で一番の品揃えよ♪〉
「行き先も決まったことだし、行こっか!」

ユウキ達はさっそく市場に向かう事にした。

AM9:35 市場前

「……で、何で連絡くれなかったの?」
〈あれ、ユウキ、あれってベルじゃないかしら?〉
〈誰かと言い争っているみたいだが………〉
〈ベルで見えないけど〜?〉

ベルは誰かと言い争ってるみたいだ。

「ベル、こんな所で何してるんだい?」
「あっ、ユウキくん。」「!! ユウキさん!?」
「チェレン、連絡つかなかったけど、今まで何してたんだ?」

ベルと話していた相手は、旅立って以来音信不通だったチェレンだった。

「実は地下水脈の穴(たしかこんな名前だったと思う)に行った時に故障してしまって……」
「「だから連絡がつかなかったんだー。」」〈だから連絡つかなかったんだな。〉
〈でも無事で良かったわ。元気そうだし。〉
〈ところでユウキ、この人は誰なの♪?〉
「スワンナは初めてだよね。ブラックとベルの幼なじみの……」
〈チェレンって言うんだ〜〉
「! まさかジャローダに割って入られるとはね……」

マイペースなジャローダに割って入られてユウキは少し驚いた。

〈そういえば、ライブキャスターが故障したって言ってたよな?〉
「うん。そうだけど?」
〈俺に修理させてくれって伝えてくれるか?〉
「うん。わかったよ。 チェレン?」
「えっ、何ですか?」

突然呼ばれて声が裏がえった。

「ライブキャスター、ちょっと貸してくれる?」
「あっ、はい。でも何をするんですか?」

そう言いながら自分のライブキャスターを取り出した。

「まあ見てて。コジョンド、お願い!」
〈任せろ!〉
「「えっ、コジョンドに渡して何をするんですか?」」

2人が疑問に思うのも無理はない。

「僕のコジョンドは手先が器用なんだ。 どう?直りそう?」
〈ああ。このくらいなら5分もあれば十分だ。〉
〈〈さすがはコジョンドだね〉♪〉
〈ユウキのお墨付きだもの!〉
「ところで、ユウキさんはさっきから誰と話しているんですか?僕達以外に誰もいないけど………」
「チェレン、ユウキくんはポケモンの言葉がわかるんだよ!」
「…………Nみたいだ………。」
「チェレンも会ってたんだね。」〈チェレンも会ってたのね。〉
「ってことはユウキくんも?」
「「えっ、ベルも会ってたんだ。」」
「うん。」
「あと、ブラックも会ってるはずだよ!」
「えっ、ブラックも!?」
「うん。その時は僕もいたけどね。」

3人はNの話で盛り上がり始めていた。

〈ユウキ、終わったぞ!〉
「あっ、終わったみたいだね。」

話している間に修理は終わっていた。

〈さすがはコジョンドだね♪。〉
〈これくらい容易いよ。〉

コジョンドは少し照れている。

「ユウキさん、コジョンド、ありがとう。」
「お話中悪いけど僕とバトルしてくれませんか?」
「「「えっ!?」」」

突然見知らぬ少年に話しかけられた。

「トリプルバトルなんですけど、いいですか?」
「僕はいいけど、チェレンとベルは?」
「「うん。いいですよ。」」
「やったー。ありがとうございます!」
〈この子、無邪気ねー。〉
〈可愛いわね♪〉
「じゃあ、お願いします。カブルモ、チョボマキ、コマタナ!」
「じゃあ、僕達もいくよ!スワンナ!」
〈もちろんよ♪〉
「エンブオー、頼む!」「ダイゲンキ、お願い!」
〈仕方ないなー。いくか。〉〈よし、始めよう!〉
〈あら、ダイゲンキ、性格治ったのね。〉

フタチマルだった頃の性格は治ったようだ。

「カブルモ、[鳴き声]、チョボマキ、[体当たり]、コマタナ、[辻切り]」
〈うん〉〈おう!〉〈…うん〉
「チェレン、私達の[友情]の力、ユウキくんにも見てもらお!」
「うん。ブラックに勝つためだ。いくよ!」
〈チェレンは相変わらず強い[志(こころざし)]を持ってるんだなー。〉

エンブオーはそう言い、身構えた。

「スワンナ、[アクアリング]から、[空を飛ぶ]!」「エンブオー、コマタナに[火炎放射]!」「ダイゲンキ、カブルモに[シェルブレード]!」

3人は同時に指示を出した。

〈うん、わかったわ♪〉〈仕方ない、やるか。〉〈ベル、わかったよ!〉

3匹もそれぞれ行動に移した。

「すごい、速い!」

少年は呆気にとられている。

〈よそ見してたらやられるわよ♪!〉

スワンナは素早い動きで攻撃を命中させた。
残りの2匹も戦闘不能になったようだ。

「すごい、バトルありがとうございます。参考になりました。」

そう言い残し去っていった。

「どうやら新人みたいだね。」
「懐かしいなー。ブラックとチェレンと旅立った時もあんな感じだったんだね。」
「そうだね。その時のユウキさんの気持ちがわかったきがするよ」
「君たち、強いんだね。」
「えっ」
「〈今日はよく話しかけられるなー」〜。〉

今度は中年の男性に話しかけられた。

「はい?何ですか?」
「ワシはここの市場で店を出しているんだけど、入荷が間に合わなくて、困っていたんだ。君たちは強いみたいだから頼まれてくれないかな?」

男性はマシンガントークができるようだ。恐らく職業病だろう。

「はい……。」
「よかったー。ならフキヨセの洞窟から水のジェルを取ってきてくれないかな?」
「いいですけど………」

3人はこの人に圧倒されていたが、とりあえず承諾した。

「……ユウキくん、チェレン、とりあえず行こ。」
「「うん。」」
(なんだろう、この胸騒ぎは………)

ユウキ達はフキヨセの洞窟に向かった。

………

AM11:45 フキヨセの洞窟最奥部

「これくらいでいいかな。」
「そうだね。ベル、ユウキさん、そろそろ戻りましょうか。一番奥まで来たみたいだけど…。」
「…………うん。」
(…………なんでこんな時間にあの頭痛がするんだ!?しかもいつものより痛みが激しい……)
〈ユウキ?どうしたの♪?〉
〈そんなにつらそうにしているなんて、らしくないわよ。〉
〈何かあったの?〉
「うん。洞窟に入った時から頭痛がしてて……、最初はそれほどいたくはなかったけど、……いまは頭が割れるように…痛いんだ……。」

ユウキは強烈な頭痛に襲われていた。

「えっ、ユウキくん、大丈夫?」
「ちょっと……ヤバいかも……」
〈ユウキ、それならはやく戻らないといけないわ!〉「それはヤバいですね。急いで戻りましょう。」
〈うん、急ごう!〉

チェレン達がユウキを抱えて動きだそうとした時、

《その必要はない。》
「「「〈〈〈〈!? 〉〉〉〉」」」

突然全員の頭の中に声が響いた。
 
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