とある青年の物語
□第6章 真実の軌跡
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PM0:00 ヒウンシティー上空
〈ねえ、ユウキ?なんでシッポウシティーに行くの♪?〉
〈[ホワイトストーン]みたいな石をそこで見た気がするんだ。〉
〈そうなんだね♪〉
〈あとアロエさんに聞きたいことがいろいろあるしね。〉
〈そうなの?で、そのアロエさんってどんな人なの?〉
〈簡単に言うと歴史や遺跡好きなママさんって感じだよ。〉
〈そうなんだ♪早く会ってみたいなー♪〉
ユウキは何かを思い出したのか、シッポウシティーに向かっている。
〈アロエさんかー、元気かな。〉
〈あれ?アーケオスは会ったことがあるの♪?〉
〈会ったと言うより、恩人かな。アロエさんがいなかったら僕はこの時代に存在しなかったと思う。〉
〈??〉
〈要するに、化石から復元してもらったってことだね。〉
ユウキは説明を加えた。
〈そういうこと。〉
〈そんな事もあるんだね♪やっぱり科学って凄いわね♪〉
会話しているうちにシッポシティーの上空まで来ていた。
二匹は高度を落とす。
〈ついたよ♪〉
〈じゃあ、さっそく入ろっか〉
〈うん♪〉
「ここに来るの久しぶりだなー。」
ユウキ達は博物館に入っていった。
………
PM0:20 博物館内
〈今日は客が少ないみたいだし、出してもいいかな。みんな出てきて!〉
そう言い、比較的すいている館内に全員を出した。
〈着いたみたいね。〉
〈僕がでても良かったんですか?〉
〈うん。みた感じほとんど客はいないみたいだからね。〉
〈そうだな。〉
〈なら大丈夫ですね。〉
〈せっかくきたんだし、ハーデリアにも会いたいな。〉
〈そうだね〜。〉
〈元気かしら。〉
〈で、これなんだけど………〉
そう言い、白い石の前で立ち止まる。
〈これが言ってた石ですか? 似てるけど、これではないみたいです。〉
〈そうかー………〉
〈じゃあ、せっかくきたんだし、図書館で調べましょうよ!〉
〈そうだな。〉
〈〈うん〉♪〉
「………目的の物と違ったみたいだね。」
ユウキ達は奥にある図書館に向かった。
………
PM0:30 図書館
「やっぱり本が沢山あるなー。」
〈ウチらはみんな読めないけどね♪〉
〈ここではユウキとブラックが頼りよね。〉
〈うん。〉
〈ユウキさん、お願いします。〉
ユウキはすでに目当ての本を探し始めていた。
「おや?こんな時間に珍しいわね。 誰かと思ったらブラック君じゃない!」
「アロエさん、お久しぶりです。」
「そっちの本を読んでるポケモンはユウキ君ね。」
アロエはユウキの事を知っている数少ない人物だ。
「えっ、そうですけど、なんでわかったんですか?」
「ちょっとした事情があってね。」
〈あっ、アロエさん!〉
ユウキはようやくアロエに気がついたようだ。
〈そうだ、これじゃあ伝わらないな。〉
そう言いユウキは元の姿をイメージする。
ユウキの姿が歪み、元の姿に戻った。
「コントロール出来るようになったのね。」
「このバンダナのおかげです。」
そう言い左腕に付けられている[絆の証]を指した。
「そのバンダナが?」
「あれ、ご存知ないんですか?」
〈まさかアロエさんにも知らない事があったとはな………。〉
「ええ。どんな物なの?」
「ええっと、ちょっと待ってください。」
(コバルオン、ちょっといい?)
《えっ、なんですか?》
コバルオンは突然呼ばれ、意表を突かれたようだ。
(アロエさんは歴史に詳しいんだけど、一般的な情報しか知らないみたいなんだ。)
《それがどうかしたんですか?》
(アロエさんに伝説の続きを話してもいいかな?)
《えっ、でも………》
(大丈夫、この人なら信頼できるよ。僕が保証するよ。)
《ユウキさんがそう言うなら………。わかりました。じゃあ、僕からはなします。》
(うん。お願い。)
「ユウキ君、ぼーっとしてどうかしたの?」
「ちょっと言う事を整理してたんです。必要がなくなりましたが。」
「えっ、それはどういう……」
「あと、アロエさんのハーデリアを出してもらえますか?コジョンド達が会いたがっていたんで。」
「えっ、うん。わかったわ。ハーデリア、出てきて。」
〈早くコジョンドに会いたいわ。〉
アロエはユウキに言われ、ハーデリアを出した。
「ありがとうございます。じゃあ、(あとはお願いね。)」
《はい。》
そう言うとどこにいたのか分からないが、コバルオンが姿を現した。
「えっ!? ユウキ君、このポケモンって………。」
「そうです。コバルオンです。」
《はじめまして、コバルオンと申します。》
「!? テレパシーが使えるのね………。ユウキ君、何できみが伝説のポケモンを持ってるの?」
「話すと長くなるんですが……。」
《僕が代わりに説明します。………………(説明中)……………。》
ところどころユウキが補足を加えながら事の終始を話した。
「………この話私も知らなかったわ……。」
アロエは未知の伝説に驚いていた。
エーフィー達は集まって話に華を咲かせている。
「一通り話したところで、お願いがあるんですが…………。[古代の城]にブラックと案内してもらってもいいですか?」
「ええ、構わないけどどうするんだい?」
「伝説に伝わる場所に行けば何か手がかりがあるかもしれないので。」
「いいけど、明日にしてくれないかしら。4時からジム戦の予定が入っているの。」
「そうですか。ならまた明日出直します。ブラックにもいろいろ説明しないといけないので。」
「わかったわ。じゃあ、ライモンシティーに来てくれるかしら。」
「はい。お願いします。」
そう言いアロエはジムに戻っていった。
〈ユウキさん〉
「なに?」
〈まだ時間があるので、ビリジオンに今から会ってきます。〉
「わかったよ。そういえばまだボールに登録したままだったから、解除して……」
〈いや、そのままでお願いします。〉
「えっ、いいの?」
〈はい。このほうが捕獲されそうになった時安全なので。〉
「そっか。」
〈じゃあ、行ってきます。〉
「うん。気をつけてね。」
コバルオンはそう言い、図書館をあとにした。
「さあ、これからブラックに事情を説明しないとなー。」
そう言い、ユウキはブラックとエーフィー達のいる所に向かった。
20分後
〈……で、コバルオンは1人で行ったのね。〉
「うん。だから僕達は明日までフリーってこと。」
「じゃあ、僕はここで本を読んでようかな。」
〈ウチらはどうするの♪?〉
〈ハーデリアはこれからジム戦みたいだから、話せないよねー。〉
〈みんな暇なら俺に付き合ってくれないか?〉
〈いいわよ。〉〈うん。〉〈もちろん♪〉
〈じゃあ、俺の修行に付き合ってくれないか?遠距離技を習得したいんだ。〉
「遠距離技かー。 [波動弾]はどう?」
〈うん。それがいいな。〉
〈威力高いし、〉
〈確実に命中するしね♪〉
〈じゃあ、きまりだね〜。〉
〈ああ。〉
「ここじゃあできないから外に行こっか。」
〈〈うん。〉♪〉〈ええ。〉〈ああ。〉
この日ユウキ達は技の習得に専念した。