絆の軌跡〜過去と未来の交錯〜

□巻之六 霧の湖で
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弐拾六 VS紫三人組

西暦7000年 濃霧の森奥地 sideベリー

ラテ、凄いよ!!
まさかあの石が鍵になっていたなんて、予想外だったよ!

「霧、晴れたね。“命の灯”って、あの石の事だったんだね。」

フライが言った。

「たぶん、フライが像の文字を解読しなかったら分からなかったと思うよ。……でも、解読っていうのかな?」
「でも、いいんじゃない?謎が解けたのには変わりないんだし!」

フライ達の時代の文字らしいから、解読したとはいえないのかな?………たぶん。

わたしはひとりでこう思いながら、何気なく空を見上げた。

………………!?

「何あれ!??」

わたしは大声をあげた。

だって、空に大きな何かが浮いてるんだよ??

「ベリー?どうしたの?」「ベリーちゃん、どうしたの?」「ヘイ、どうかしたのか?」

3人が声を揃えた。

「ラテ、フライ、シザーさん、上を見てみて!!」

「「えっ?上?」」

ラテとフライが不思議そうに見上げた。

とにかく、みてよ!!

「!?あんなことろに??」
「ヘイ、もしかして、あれが[霧の湖]じゃないのか!?」
「どうりで、今まで場所が見つからなかったわけだ。」

フライ、シザーさん、ラテの順番で言った。

霧があれを隠していたのかもしれないね。

「ラテ、ベリー、フライさん、先に進んでください!自分が親方様に知らせて来ますから!」
「えっ?でも、シザーさん!?」

シザーさん!?ちょっとまって!

「これは3人の手柄だ。だから………。」

シザーさんがそう言い残してベースキャンプの方に走っていった。

「シザーさんもそう言ってるから………」

フライが言っているところに………、

「クックックッ、ご苦労だったな。」

割り込んで…………この声は、まさか………。

「へっ。」「けっ。」

「「“ドクローズ”!?」」

そう、あの三人組……。

「俺様達が[霧の湖]のお宝を頂く!“悠久の風”お前にはここでくたばってもらおう。フライさん、あなたも例外なくな!!」

まさか……ちからづくでいく気!?

「あんた達、シルクの事といい、あの朝の事といい、全く反省してないようだね!!ボクもあんた達には腹がたっていたんだ!戦うなら、望むところだ!!」
「へっ、たかが学者が探検隊に勝てるとでも思ってるのか!?」

フライ、完全に戦う気だよ……。それに、フライのあんな表情、初めて見たよ……。

子分2人が眉をつり上げて挑発。

「メタン、あれいくぞ!」
「わかったぜ、兄貴!」

あれって、まさか………

「「食らえ!毒ガススペ………」」「[ドラゴンク………]………」

張り詰めた空気………、バトルが…………、ん?林檎?

両者の間に赤い木の実……、なんで??

「あーん、まってーー!」

そこに場違いな、呑気な声。

親方様???

「やっと捕まえたー。[セカイイチ]が無くなったら、僕は………。」「「「「「「………………」」」」」」

親方様………、本当に[セカイイチ]が好きなんだね………。

この愉快な光景に一同は絶句………。

親方様、完全に場違いだよ…………。

「あっ、みんなこんな所で何してるのー?“悠久の風”、遊んでないで早くしらべてよね。」
「えっ!?でも、親方様?」

わたし達、見つけたんだけど………。

ラテが親方様に…………。

「僕の指示が聞けないの?僕、怒るよ?」
「……………ラテ、いこっか?」
「………うん。」

………………親方様を怒らせないほうが……、だから。

わたし達は、このばをあとにした。

………

sideシルク

チェリー、いい人だったわ!
一時はどうなるかと思ったけど………、無事に済んでよかったわー。
それに、凄くフレンドリーで、すぐに友達になれそうだわ!

私達が普段いる場所も伝えたから、きっとまた会えるわよね?
ええ、きっとそうね。

そんな事があって、私とウォルタ君はチェリーとわかれ、[濃霧の森]を抜けたわ。

でも、さっきからその霧が晴れているわ。

「シルク、天気良くなったね。」
「ええ、おかげで五感が冴えてきたわ!」

何故かはわからないけど、まあ、いっか!

「…………にらめっこなら負けないよー!」

ん?この声は、ラックさん?

「シルク?この声って………。」
「ええ、ラックさんね。行ってみましょ!」
「うん〜。」

調査の報告がしたかったから、ちょうどいいわ!

私達は声のする方に走りだしたわ。




「…………、探検家、ラックもここで終わりだな!」

うなるような声を、研ぎ澄まされた私の聴覚が捉えたわ。

………この声は……Br!?

「ふぇ?」
「メタン、今度こそ!」

まさか、あいつら、ラックさんにまで………。

どうにかして止めないと!!

でも、走ってでは間に合い走にない………。距離は大体25m……。

あと5mで私の[テレパシー]の伝達範囲内………。

「アニキ、任せろ!」

4m、

「ん?何がー?」

3m、

「「食らえ!!」」

2m、

「「毒ガス……」」

1m、もう少し!

「「スペシャル……」」

0m、

〈そこまでよ!!〉

私はありったけの力で念じたわ。

「「「「!!?」」」誰だ!?」

一同は驚きの声を漏らし、Brは辺りを見渡したわ。

〈あんた達に名乗るつもりなんて微塵もないわ!![絆]の橋を架けようとしているラックさんにまで手を出すなんて………許せないわ!!〉

語りかける間にも到着。

ラックさんにまで……………、許せない!!

私は怒りの炎の燃やす。

[絆]を壊そうとするなんて………、

「ウォルタ君、[マッドショット]と[水鉄砲]、借りるわよ!![サイコキネンシス]!」

私は臨戦態勢に入る。

「クックッ、姉ちゃんにケンカを売られるなんて、俺様もナメられたものだな!」「えっ!?うん〜。[マッドショット]〜!」

ウォルタ君は泥の塊を打ち出したわ。

よし、まずは一色。

「けっ、アニキ、やってやるか?」「[シャドーボール]!」「[水鉄砲]〜!」

「俺達は売られたケンカは買うぜ?へっ。」「[目覚めるパワー]!」

よし、これで準備できたわね!

地、霊、水、竜、そして、さっき取り出した[木の枝]の草、5色が揃ったわ!

「♀相手でも容赦しねぇぞ!」
「望むところよ!!」
「俺達に刃向かったことを」
「思い知らせてやる!!」

…………私の、[絆]を守る闘いが幕をあけた。

「[絆]の名に賭けて……、いくわよ!![瞑想]!」「「[スモッグ]!」」

私は目を瞑り、精神統一。

BrとCH4は汚染物質を吐きだす。

ヤツの半径3m………漂っているわね。


私は超能力の影響範囲を広げ、その物質を採取した。

毒も加わり、これで6色。

私は目を開けて、回り込む。

「[超音波]!」

そこにすかさずバットが音波を放つ。

「あまいわね。まずは毒と水から!」

ここで最初の一手、水色と紫を化合。薄い青紫の弾を生成。

それを私は2つに分裂させる。

「もらった!![辻切り]!」「まずはあんたたら!!っ!」

私は速攻で2球を衝突、進行方向に拡散させた。

対してBrは私に攻撃を仕掛ける。

「まだまだね!」

私は垂直に跳び、かわす。

「[エアーカッター]!」「[ヘドロ爆弾]!」

そこに待ちかまえていたかのように2つの技が飛ぶ。

「「くっ!」」
「へっ!ざまあみろ!!」

命中。

……でも、それほどダメージはないわね……。

その間にもBrにダメージ。

第一段階、突破。Brの守りは配合した毒の効果で崩れたわ!

次は………

「地と竜、[シャドーボール]!っ!」

二色を混ぜながら漆黒の弾を落下しながら、下に発散。
上昇気流が発生。

私は再び宙を舞う………。
そして、くすんだ群青色の弾が完成、分裂させた。

「自ら追い込まれにいくなんて、学者も馬鹿だな!」
「それはどっちの事かしら!?これをかわしてからものを言いなさい!


私は簡単には挑発に乗らないわ!!

私はすぐに発射し、群青色の雨、素速さ減退効果を秘めた小弾を生成。

「「[スモッグ]!」」「[エアーカッター]!」「最後に草と霊!」

相手も応戦、さあ、かわしきれるかしら?

そして、残りの2色で暗緑色の弾を生成、発射したわ。

「何っ!?防げないだと!??」

小弾は相手の技を打ち消し、残った弾が降りそそぐ。

「「「っ!!」」」

ステータスに関わるものはダメージは与えられないけど、確実に能力を下げる。

このタイミングで、暗緑色の弾が地面と平行に拡散、しかも霊の効果で飛散数が増加。

「!?素速さが落ちた!??」

やっと気づいたのね。

そこに重力の作用で暗緑色の弾も降りそそぐ。

「うぐっ!!…………クソっ!お前ら……あとは…………頼んだぞ……。」

守備が下がったBrは崩れ落ちた。

「…………、クソっ![吸血]!」「アニキ!!っ!」

「っ!」

着地した私にバットが噛みつく。

……体力を吸い取るワザね……。

効果は抜群だけど……、ピンチはチャンス……。

「[サイコキネンシス]!」

ヤツを拘束。

「くっ!」「バット!![ヘドロ……]……」

メタンも接近。
私はそっちに飛ばす。
勢いをつけて技を解除。

「[目覚めるパワー]、[シャドーボール]連射!」

私は口元で竜と霊を混ぜ合わせた。

「メタン、よけろ!!」
「…爆……!?」

そこに向けて放つ。

膨張しながら、3発がヤツらに飛んでいった。

「「ぐっ!!」クソっ!♀如きに…………やられるとは………。」

命中。

2人も崩れ落ちた。

結果、私の勝利。

…………久しぶりにダメージを受けたわ……。
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