□再会
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窓の外から聞こえ続ける蝉の声。

それだけで、紅の思考が全停止する。


扇風機と向かい合ってもう何時間たっただろうか。


TVからは可愛らしい声をしたキャスターが猛暑を伝えていた。


「暑い…」


その瞬間後悔した。
声に出せば出すほど暑さは増した気がした。



「最悪…」



その時、思い出した。
この茹だる様な暑さの中、外に出なければいけない事を。


今日は、仕事も休みで
1歩も外に出ないつもりだったのに。




よりにも寄ってこんな日に、借りたDVDが今日、返却期限である。

しかし、延滞料金を払うと言うのも理解に苦しむ。


最近はポストに入れるだけでもいいらしいが、
どちらにせよ外に出ないといけない。


郵便局員は集荷に来てくれたりしないのだろうか…。
調べてみようかと思ったが、それすらも面倒くさい。



散々迷った揚げ句、意を決して立ち上がった。



ササッと着替えて、玄関の前に立った。



ここから先は地獄だ。
ドアノブをまず握りしめ、
深呼吸してから思いっきりドアを開けた。






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