短編集

□緑色の月が示す君
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静寂な闇夜に淡く輝く緑色の月在りしとき 、光示す先に宝玉あり。
宝玉見つけしもの、身・こころに改変あり。


僕には高校の入学式から一か月、中二病のときがあった。
いわゆる高校デビューに失敗したのだ。中学時代の友人が全くいないため不安になり、おかしな模索をした結果「海賊大魔王」などと訳のわからない設定になった。
そんな僕だが今現在、設定無しで一般の高校生として過ごしている。僕の周りにいる人たちが、寛容な精神で中二病の僕を受け入れてくれたおかげだ。ときどき、友達に中二病時のことでいじられるが、嫌がらせではなく、その場だけでのギャグだ。ただの黒歴史で終わるよりギャグにしてもらったほうが助かる。
クラスメイトならびに町に住む人たちのおかげで中二病は徐々になくなり、そして完全に消滅してから一年が経とうとしている。
特別な日々ではなかった。普通に授業を受け、普通にバカ騒ぎし、普通に恋をし、普通に振られた。そんな普通の毎日がこの間まで続いていた。
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