携帯獣 黒と白

□第八話
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まさかの狼牙が

圧勝してしまった

それに皆が驚いて

 シ―――ン

とする中

狼牙が駆け寄ってきた

狼牙[ママ!ママ!
   ミー勝ったのね!]

嬉しそうに俺に

報告をしに来る狼牙は

ホントにどこからどう見ても

子供のゾロアだった

貴「お疲れ様 狼牙
  凄かったね ビックリした」

頭のふさふさしたところを撫でて

褒めると

一層笑顔になる狼牙

紅蓮[次で最後だが
   俺が出てもいいな?]

狼牙を撫でていると

紅蓮が聞いて来る

一応疑問形だけど

目が“ダメとは言わせないぞ”

って訴えてるから

苦笑いをしながら

頷けば

意気揚々とバトルフィールドに

入って行った

シュー君は既に

プルリルを出していた

貴「まだ続けるのか?」

シュー「貴方とのバトルは
   フルバトルですからね
   意味のあるものですよ」

そう言うシュー君の顔は

負けるのが分かっていても

諦めない

と言う顔つきだった

なんだそういう顔出来るじゃん

貴「紅蓮 本気で
  相手をしてやろうか」

紅蓮[今のアイツの顔
   いい顔してるからな]

狼牙を肩に乗せ

シュー君と向き直る

貴「じゃあ 始めようか
  Dernier combat pour.
  (最後の戦いを)」

シュー「プルリル「みずの波動」」

貴「「守る」」

プルリルから

「みずの波動」が放たれるも

紅蓮の「守る」によって

阻止された

貴「紅蓮「ちょうはつ」」

紅蓮[フッ 意外と簡単な
   技を言うな こんな奴 
   相手にもならんだろうに]

プルリルには鼻で笑われた時点で

イラッと来たらしく

簡単に挑発に乗ってくれた

その代り攻撃力が上がるが

混乱状態になる

シュー「プルリル!」

貴「そう言えばシュー君言ってたよな
  “「祟り目」は混乱状態の
    ツタージャには
    威力が倍になる技だ”
   ってじゃあ俺もマネを
   してみようか
   紅蓮「祟り目」」

シュー「な!? プルリル!!」

紅蓮の背後に黒い靄が掛かり

その中から目のようなものが出現し

プルリルは頭を抱えだした

「祟り目」が終わり

それでもなお倒れないプルリル

ふ〜ん

意外としぶとい子だな

貴「Ce est la dernière dans cette
  (これで最後だ)
  紅蓮 「かみなり」」

指示の直後

プルリルに特大の雷が落ちた

フィールドには倒れたプルリルと

堂々と立つ紅蓮の姿

ドン「プルリル戦闘不能
  アブソルの勝ち

  よって勝者アオ君」

貴「紅蓮 お疲れ様」

紅蓮[少し物足りなかった]

と不満そうな紅蓮

まあ

顎を撫でてやれば直ぐ

機嫌は直ったけど

シュー「アオさんバトル
  ありがとうございました」

深々としっかりとお辞儀をした

貴「フッ 次会ったら
  またバトルしてやるよ
  シューティー」

クシャクシャと

シューティーの頭を撫でて

頭を上げさせると

照れくさそうな顔をしていた

貴「またなシューティー」

最後にシューティーの前で笑うと

目を泳がせて

ドンさんの元に行って

ちゃんとお礼を言うと

そのまま帰って行ってしまった

サトシがシューティーが去る時に

声を掛けても

聞こえて無さそうだった

意外と可愛い奴なんだな

そう考えてる横で

紅蓮は深々と溜息を吐いていた





俺とサトシは

シューティーとの

二度目のポケモンバトルは

サトシは敗北に終わり

俺は再び勝利を収めた

新たな仲間狼牙と共に

更なる成長を求め

俺達の旅はまだまだ続く







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