○○の時間

□LRの時間
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カツンカツンとチョークで黒板に何かを書きこむ音が聞こえてくる


そういや今は英会話の時間か


イリ「日常会話なんて実は単純 周りに一人はいるでしょ?

   “マジすげぇ”とか“マジやべぇ”だけで会話を成立させるヤツ

   その“マジ”に当たるのがご存じ“Really”

   木村、言ってみなさい」


木村「り、りありー」


イリ「ハイダメー! LとRがゴチャゴチャよ

   LとRの発音は日本人との相性が悪いの

   私としては通じはするけど違和感あるわ

   手本に・・・そこ!紅蓮寝ない!」


寝てないし・・・


のっそりと抱き枕として使っていたリュックから顔を上げて


ビッチを見たら


イリ「ほら、紅蓮発音してみなさい」


え〜、めんどくさいな〜


紅蓮「Do not disturb my sleep. Really is a break.

紅蓮「(僕の睡眠を邪魔しないでよ。ほんと勘弁して)」


イリ「It is not sleeping because'm in class!(授業中なんだから寝ない!)

   まあいいわ発音は完璧ね

   相性が悪いものは逃げずに克服する

   これから先発音は常にチェックしてるからLとRを間違えたら

   ・・・・・・・・・・公開ディープキスの刑よ♡」


そう言って怪しく笑うビッチに皆の背筋が凍ったのは


言うまでもないだろう


特になぎちゃんは経験済みだからかサイドテールを揺らすほど身震いしていた


それよりなんか視線感じるんだけど・・・


僕への視線じゃなくてビッチへの視線


何もなければいいけどね


一度帰宅した僕は学校周辺で変な人物がいないかを探してみた


誰もいないことを願ってたんだけど


・・・・いた


コートを着て顔が監視カメラに映らないように歩く外国人


視線の正体はコイツかな?


僕は身支度を整えると学校へと向かった


学校に着いて目に入ったのはビッチ


考え込んでる様子だったから声を掛けずに近づこうとした時ビッチの首にワイヤーが降りて来た


紅蓮「ビッチ!」


声を掛ける前にビッチは気付いたようだけど


ワイヤーが首に掛かった


しっかりとワイヤーを持って自分の体重を支えてるのを見て


流石暗殺者だと思ったけど


苦しそうだ


?「驚いたよイリーナ 子供に楽しく授業

  まるで・・・コメディアンのコントを見てるようだった」


ロシア語かな?


一応聞き取れる言葉で話してるからいいか


イリ「・・・!センセイ!・・・」


ビッチの知り合いか


まあ、女性に怪我させるのは僕嫌いだからさ


あまり長くはない距離だが全力疾走してビッチを吊るすワイヤーの始めのところに向かった


それを阻止しようとして来るのが


僕が監視カメラでみた茶色のコートを着た外国人


僕がナイフで攻撃するもかわされ攻撃を仕掛けられる


それを上手く躱しながらワイヤーから一歩下げさせることが出来た


よし、切れる!


気を抜いたのがいけなかったのだろうか


男性の蹴り一発で最初居た所よりも遠くに飛ばされてしまった


瞬時に腕で庇ったし、空中で体勢を立て直せたから着地もうまくいくだろう


立て直した状態でダーツを投げた


烏に攻撃した時と同じものだけど


あれより切れ味がいいものだ


それも防がれた


烏間「何をしている女に仕掛ける技じゃないだろう」


僕が着地すると同時に現れた烏が男性に話しかけた


?「・・・・・・心配ない

  ワイヤーに対する防御くらいは教えてある」


そう言って持っていたナイフで僕が切ろうとしていたワイヤーを切った


その反動でビッチは床に崩れ落ちてしまった


紅蓮「ビッチ、大丈夫〜?」


近くに行って起こしてあげる


烏間「何者だ?せめて英語だと助かるのだが」


再び英語で聞いた烏に男性は先程と表情を変えずに


?「これは失礼 日本語で大丈夫だ」


と普通に日本語て返して来た


?「別に怪しいものではない」


いや、十分に怪しいからね?


?「イリーナ・イエラビッチをこの政府に斡旋した者と言えばお分かりだろうか」


斡旋?


ビッチがさっき先生って呼んでたわけだし・・・


紅蓮「あ、ロブロさんですか〜

紅蓮「腕利きの暗殺者と知られてて〜今は引退してるんだよね〜」


ロブ「何故君の様な中学生が私の存在を知っているのかな?」


少し目を緩ませて僕を見る目には明らかに殺気と警戒心が浮かんでいた


ロブ「それに先程の動き・・・いくらここで殺し屋として動いていると言っても

   明らかにおかしい動きだったが?」


紅蓮「僕の育った環境が少々特殊でね 生か死かの選択だったから仕方ないよ」


いつも通りの表情で僕が答えるとロブロさんは僕への興味を失くしたようだ


ロブ「例の“殺センセー”とやらは今どこだ?」


烏間「ヤツは今上海まで杏仁豆腐を食いに行った 30分前に出たから

   もうじき戻るだろう」


殺センセーも日々進化してってるからな〜


分身の量だけじゃなくてスピードとかも余計に速くなってたりして


・・・・・・笑い事じゃないね


それって僕等に余計に不利になって来ちゃってるんだよね〜


あーぁ、やだやだ


ロブ「聞いてた通りの怪物のようだ 来てよかった答えが出たよ

   今日限りで撤収しろ イリーナ この仕事はお前じゃ無理だ

   お前は正体を隠した暗殺なら比類ない

   だが、一度素性が割れてしまえば一山いくらぐらいの殺し屋だ」


イリ「必ずやれます 先生 私の力なら」


僕の腕に掴まって立とうとしていたビッチが腕を放して立ち上がりながらそう言った
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