青エク オリジナル過去編


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 アマイモンに抱き抱えられ来た先は、想像してたより、おっきく見える正十字学園。

 そこの最上階に、サマエルは住んでるらしい。

 『理事長室』と書かれた扉の前。

 コンコンッ

 え、アマイモンが礼儀正しい!?

 意外性満載だよ?!

アマイモン「兄上、入りますよ。」

?「えぇ。構いませんよ。」

 メフィストの声だ〜♪

アマイモン「失礼します。」

メフィスト「どうぞ。それで、なんの用ですか?アマイモン」

 仕事が忙しいのだろう。

 部屋に入ってから、一度もこちらを見ていないため、私の存在に気付いていない。

アマイモン「父上からの伝言と、預かりものです。」

 え、もの扱い?

メフィスト「父上から?」

 やっと目線を上げたメフィスト。

 その目線の先には、アマイモンに抱かれてる私。

アマイモン「預かりものは、コレです。伝言は“お前が育てろ”と。」

メフィスト「はぁ!?私がこんな子を!?父上は何を考えてらっしゃる。」

 う、これは、メフィストに嫌われたということなのか?

 というか、メフィストって子供嫌い?

アマイモン「3年前に父上が人間から作り替えた悪魔です。」

メフィスト「あぁ、あれですか。.......まぁ、それなら。楽しそうですねぇ。」ニヤリ

 あ、よかった。

 引き受けてもらえそう。

 でも、メフィストの顔怖い;;

 よからぬこと企んでるような顔。

 いや、完璧企んでるな。

 私の扱いも駒かな?

アマイモン「では、兄上、よろしくお願いします。あお、いい子にするんですよ?」

『あまいもん、もういっちゃうの?』

アマイモン「えぇ。余りこちらには長居できません。ほら、兄上にしっかり挨拶して下さい。」

『わかった。ときどき、あそびにきてね?』

アマイモン「はい。それじゃあ。」

『ばいばい。あまいもん。』

 アマイモンは帰ってしまった。

『しゃまえるしゃま?
 はじめまして、あおっていいます。
 かちゅぜちゅがわるいのは、ゆるしてくだしゃい。』

メフィスト「あおですか。
 滑舌は、その歳なら、しかたないでしょう。
 こちらでは、サマエルではなく、メフィストと名乗っているので、そちらで呼んで下さい。
 あ、あと“さま”もつけなくていいです。」

『わかりました。これから、よろしくおねがいします、めふぃすと。』

 よかった。

 私によろしくと返したメフィストは、部屋を出ていってしまった。

 どうしよ。

 暇だ。

火焔「あお、暇?」

『うん。ひま。』

水蓮「じゃあ、お喋りしよ〜?」

 そっか、火焔と水蓮とお喋りして待てばいいのか。

 しばらく、2匹と楽しんでいると、メフィストが戻ってきた。

『おかえりなさい。』

メフィスト「!?... あ、あぁ。只今戻りました。(おかえりなんて言われるのは、初めてですね。なんか、温かいです。)」

 なんか、驚かれたけど、ま、いっか。

 火焔と水蓮の2匹と沢山喋ったお陰で、滑舌が少ししっかりしてきた。

メフィスト「ついてきなさい。貴女の部屋に行きますよ。」

『わたしのへやですか?』

メフィスト「えぇ。いきなりだったので、少々手間取りました。」

 じゃあ、さっきまでいなかったのは、私の部屋の準備の為?

『めふぃすと。』

メフィスト「?」

『ありがとう!!』

 感謝の気持ちと共に、笑顔を彼に贈る。

メフィスト「どういたしまして。」

 彼も微笑んでくれた。

メフィスト「さぁ、着きましたよ。ここが、今日から、貴女の部屋です。」

 もう、着いたの?

 メフィスト足長いのに....。

 合わせてくれた?

 メフィストに感心しつつも、うながされた部屋の中を見ると、オレンジ系で配色された部屋だった。

 メフィストはピンクの部屋にするかと思って、覚悟を決めて見たが、案外、まともな部屋だった。

 でも、なんでオレンジ?

 不思議に思ってると、メフィストが声をかけてくれた。

メフィスト「お気に召しましたか?」

『はい! とってもすてきなおへやです。ありがとう。
 でも、なんでこのいろに?』

メフィスト「おや?まだ鏡を見てないのですか?」

 鏡?

 なんで?

 メフィストは、鏡の前に連れて行ってくれた。

 そこに写ったのは、髪がテッペンから毛先にかけて黄色から橙色にグラデーションのかかった髪を肩ぐらいまで伸ばして、黄緑色の目を大きく見開いた女の子。

 え、これ、私?

 顔のパーツは、あまり変わらないが........派手すぎやしませんか?

メフィスト「私は好きですよ、この髪。目も、私と一緒です。」

 悪魔だからかな?

 なんだか、メフィストの髪と色違いだと思うと、気にならなくなった。

 逆に、メフィストに勝手ながら、親近感が湧いた。

『めふぃすとといっしょ!』

 そう言って笑うと、彼は、私の黄色い髪を撫でてくれた。










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