青エク オリジナル過去編
□6
4ページ/8ページ
そして始まった、悪魔の遊び。
2匹の力は、以前紹介した通り、火焔が火、水蓮が水だ。
2匹で遊ぶということは、水と火のぶつかり合い。
どう見たって、火焔が不利になる筈だ。
なる筈なんだが.......;
でも、2匹がやってるのは、雪合戦を火と水の球に変えたもの。
相手が投げた球を自分の力で作った球をぶつけて、自分自身に当たらないようにしてる。
火と水がぶつかることで、水が蒸気にかわり、部屋の湿度と温度が上がってきたてベタベタしてきた。
でも、サウナと考えると、なかなかに気持ちよかった。
藤本さんは、これをさせてなにがしたいんだろうと、不思議になったが、
2匹が久しぶりに、悪魔の力が使えるだけあって、楽しそうだから、今はそのままにしておこうと思った。
藤「蒼碧、お前、体きつくねぇのか?」
『全然なんともないですよ。ただ、サウナ効果で、汗が出ますが(苦笑)』
藤「ホント、お前の体力底なしだな。」
『これって、体力削るものなんですか?』
藤「そっからかよ。あ〜、おい、お前ら!!」
火「なんだ?」
遊ぶことを止めない2匹。
いやいや、話す時ぐらい、手は止めないか。
藤「もっと強い力使ってくれ、てか、お前らが持ってる力、全て使え!!」
水「りょ〜♪ 壊しても、文句なしっスよ。」
壊す気満々!?
壊すのは、申し訳ないからやめて!?
そんな慌てる私を無視して、2匹は、持ってた球を頭上に1つにまとめ、デカくし始めた。
え、あんなん投げんの?
火焔の出す火で、部屋の温度はみるみる上がり、
水蓮の出す水で、湿度があがる。
行ったこともないけど、熱帯雨林って、こんな感じかなぁとか思ってると、出る汗の量が、尋常じゃないくらいに増えてきた。
これがあれか、使い魔を使うことで、体力を削るってことか?
ちゃんと私の横にはスポドリがあるから、それをのんで、脱水症にならないようにする。
そうこうしてるうちに、球はめちゃくちゃデカくなってた。
先に水蓮が動きだした。
水蓮が玉を投げた先は、火焔の持つ玉ではなく、火焔本体。
しかし、火焔は、デカくなった火の玉に、自ら入ることで避け、自身が火の玉となり、水蓮にぶつかりにいく。
水蓮は、いつの間にか先程よりは一回り小さな玉をつくりだし、火焔からの攻撃の盾をつくりだした。
あれ、でもなんか、匂いが....
ぶつかる。
と思った瞬間、藤本さんが叫んだ。
藤「チッ!蒼碧、伏せろ!!」
ボッカァン!!
藤本さんの声に反応して、爆発音の前に体を伏せることができた。
なにが起こったんだ?
火焔と水蓮は?
ケガしてないかな?
さっきまで、2匹がいたところは、真っ黒に焦げてた。
え、大丈夫;?
心配になってきた;;
『火焔!?水蓮!?どこ!?』
水「ゔ、僕はここっす。」
『水蓮!!大丈夫?』
水「僕は大丈夫っす。けど、火焔の方が心配っす。」
『え!?う、火焔ー!!どこ?』
火「ケホッケホッ、俺はここだ。」
火焔は、水蓮と反対の壁側に倒れていた。
『火焔!!大丈夫?』
水「火焔、大丈夫っすか?」
火「あぁ、爆風で壁に当たっただけだ。」
それって大丈夫なのか;;?
藤「蒼碧〜!無事か?」
『私は無事です!』
いつの間にか藤本さんが隣に立ってた。
あれ、さっきまであっちいませんでした?;
藤「水蓮っつったか。お前、水の分子組み換えることもできるんだな、凄いぞ!」
水蓮は藤本さんに誉められて、嬉しそうだ。
『よかったね、水蓮。分子を組み換えるってことはさっきの匂いはアルコール?』
水「さすが、蒼碧っすね。正解っす。」
『だから、爆発ね。火焔は?ケガしてない?』
火「あぁ、まぁギリギリで気付けたからな。ケガはしてない。」
『そっか。ケガしてないなら、よかった。』
火焔と水蓮を優しくなでてやる。
お疲れ様と意を込めて。
藤「あちゃー、蒼碧の前に2匹の方がへばってんな;;」
水「スミマセンっす。」
水蓮の耳と尻尾が垂れ下がってショボーンとしてる。
なに、めっちゃ可愛いんだけど///
じゃあ、今日は終了な。
という藤本さんの言葉を聞いて、2匹をひとまず虚無界に行かせ、休ませることにした。
丁度、昼食の時間だったので、藤本さんとご飯を食べ、午後の訓練を始める準備をした。