携帯獣 黒と白

□第十五話
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俺の元にトコトコと走って来た

ピカチュウ[ううん 大丈夫!
    タマゴは無事だった?]

貴「ピカチュウのおかげでな」

頭を撫でてやると気持ちよさそうに鳴くと

サトシの元に戻って行った

地面に置いたタマゴが再び光始める

俺はダッシュで荷物置き場に戻ると

皆の荷物と狼牙を抱えて

戻って来た

狼牙には見ていて欲しいからな

まあ

その間走ったのは紅蓮だけどな

デント「アオ いよいよ孵るよ」

貴「間に合ったか」

アイリス「ワクワクする」

タマゴがさらに光って光が弾けると

ポケモンが姿を現した

ズルッグ[ん〜?え〜お〜・・・あ]

サ・ア「「あぁ」」

デント「これはズルッグだ!!」

サトシ「ズルッグ?」

サトシが図鑑を取り出して

生まれてきたポケモンのズルッグにかざした

《ズルッグ
 だっぴポケモン
 ゴムのような弾力の皮を腰履きしている
 視線を合わせた相手に
 いきなり頭突きで攻撃を仕掛ける》

紅蓮は興味津々にサトシの図鑑を覗き込んでた

サトシ「俺 サトシ よろしくな」

ズルッグ[うっす]

ピカチュウ[僕 ピカチュウ]

ピカチュウが挨拶をすると

挨拶代りに睨み返してくるズルッグ

デント「なんだ?「睨み付ける」?」

ズルッグは背中を反らせると

ピカチュウに向かって頭突きをした

ピカチュウが避けると

ズルッグはそのまま勢いに乗って

前に滑って行った

デント「今度は「頭突き」だ」

サトシ「いきなりなんだ?」

俺の所にまで滑って来たズルッグを

起こしながら皆の話を聞いていた

皆ズルッグが小さいからか

しゃがんだままだ

アイリス「何なのかしら」

サトシ「どーした?「頭突き」なんか出して
  そんなにバトルやってみたいのか?」

バトルの意味さえ知らないであろうズルッグに

そんなことを持ちかけるサトシに

ズルッグは取り敢えず頷くと

一先ずさっき目が合ったピカチュウを睨むと

サトシは勘違いしたようで

ピカチュウとズルッグのバトルが始まった

ズルッグの技を確認すると

《ズルッグの技
 「睨み付ける」「頭突き」》

アイリス「えっ!? それだけ?」

サトシ「って アイリスのキバゴも
  「ひっかく」と「龍の怒り」だけだろ?」

アイリス「ぇ そうだった」

お互い2つしかない技でも

ズルッグの攻撃技は「頭突き」だけだから

キバゴの方が強いのかもな

デント「まぁ タマゴから孵ったばかりだしね」

貴「狼牙は最初から技4つ覚えてたんだけど・・・」

デント「う〜ん・・・
   トレーナーがHigh specだからじゃないかなυ」

まあ

狼牙自体もチートだから仕方ないか

その後

ピカチュウの「10ボルト」で

ズルッグは転がって行き

バトルはお開きになった

サトシのポケモン達が出てくると

ピカチュウにやったように

「睨み付ける」からの「頭突き」をして

皆を驚かせていた

「水鉄砲」を皮で弾く

って言う面白いことを見せてもらったし

まあ

いいかな

とか思ってたら

ズルッグはサトシのポケモンの次に

キバゴを睨みつけその後狼牙を見つけると

狼牙に「頭突き」をして来た

まあ狼牙ももう結構レベルアップしてきたから

効かないだろうな

静かに見ていると

狼牙は華麗に避けていた

うん

なんか子供の鬼ごっこみたいだな





ズルッグと狼牙が遊んでると

あっという間に夕方になった

デントが作る料理を皆で食べていた

ポケモン達もポケモンフーズを食べていた

ズルッグは皆と離れた所に座っていた

サトシ「ズルッグ ほら 皆と一緒に
  食べようぜ」

ズルッグ[や〜だ!]

アイリス「あの子は何を考えてるか分からないわね」

デント「サトシのポケモン達に負けたから
   ショックを受けてるのかなぁ?」

サトシ「そうなのか?」

俺はただそれを静かに見ていた

暗くなって皆食べ終わった

後はズルッグの分だけが残っている

貴「ズルッグの飯 俺が食べちゃおっかな〜」

食べる気は勿論ないが

ズルッグに聞こえる様に言うと

ズルッグが慌てて走って来た

ズルッグ[食べちゃダメー!]

俺が胡坐をかいて

ポケモンフーズの入った皿を上げると

ピョンピョンと跳ねて

皿を取ろうとしていた

下におろしてやると

俺の膝の上に座って食べ始めた

サトシ「やっぱ アオは凄いな!」

アイリス「素直に皆と食べればいいのに」

サトシ「よし ズルッグ お前もそろそろ
   モンスターボールに」

サトシがまだズルッグがご飯を食べてる途中なのに

ボールを出して来た

それを見たズルッグは俺を盾にして隠れた

サトシ「なんだ 入らないのか?」

ズルッグが首を横に振って

ボールに入ることを拒否した

貴「飯ぐらい食わしてやれよ
  餓鬼は食欲旺盛なんだから」

サトシ「あ・・・ゴメン」

デント「孵ったばかりだからまだ外の世界にいたいのかもね」







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