携帯獣 黒と白

□第十五話
3ページ/5ページ


もう寝る時間となり

皆が寝静まった頃紅蓮が俺を起こして来た

狼牙はお腹一杯になると

ボールに戻って行っていた

貴「どうした?」

紅蓮[ズルッグがいなくなったぞ]

起きてみると

キバゴがズルッグがいなくなったと騒いでいた

貴「俺は先に行ってるな」

キバゴの頭を撫でてそう伝えると

強く頷いた

それを確認して俺は紅蓮に飛び乗り

紅蓮の鼻を頼りにズルッグを追った

ズルッグは直ぐ近く森の中で

木に向かって「頭突き」の練習をしていた

確かその木って・・・

紅蓮から降りてズルッグに近づく

貴「ズルッグ ここにいたのか」

ズルッグ[あ・・・え〜と・・・]

貴「俺はアオ
  こっちは俺のパートナーの紅蓮だ
  よろしくな?」

ズルッグが紅蓮の方を向きまた「頭突き」を

すると思ったらニカッと笑顔になった

え?

ズルッグ[兄貴!]

は?

兄貴?

強そうだからか?

それからまたズルッグは木の幹に向かって

「頭突き」をし始めた

なんかあった時は

俺が助ければいいか

暫くすると慌てた様子でサトシ達が走って来た

あー

そういや

キバゴが騒いでたんだった

サトシ「アオ!」

貴「おう」

アイリス「“おう”じゃないわよ もう
   アオが一緒にいたなら安心ね」

デント「慌てることもなかったようだね」

貴「悪いな でも キバゴが教えてから
  俺はズルッグの所に来たから
  キバゴのおかげだよ」

サトシ「おーい!!ズルッグ!!
   そんな所で何してるんだー?」

貴「バカ 大声出すな!」

小声でサトシを叱る

この時間帯は人間同様

ポケモンだって寝てるんだぞ

近所迷惑以上に迷惑だろ

すると

サトシの大声と

今までズルッグが「頭突き」を

していたせいで

木の根の間を住処にしていたデンチュラが

起きて来てしまった

アイリス「あ!!あれはデンチュラ!!」

貴「ボルト GO!」

ボルトをズルッグの前に出させると

俺は急いでズルッグを回収しようと走った

デント「不味いな・・・」

アイリス「あの毛針に刺されたら大変よ」

デント「アオも危ない・・・」

サトシ「ズルッグ!! アオ!!」

貴「うるさい黙れ でもって こっち来んな」

サトシが俺の方に駆けて来るのを見て

紅蓮にアイコンタクトをして

止めさせ

ズルッグに近付いて手を伸ばした

しかし

ズルッグはあろうことかボルトによじ登って

デンチュラに「睨み付ける」をすると

「頭突き」をデンチュラに向かってした

貴「ボルト 「糸を吐く」で
  ズルッグを止めてくれ!」

ボルト[はい]

ボルトの「糸を吐く」でズルッグを絡み取った

デンチュラまではあと1cm

危なかった・・・

デンチュラ[クソガキが・・・俺様の睡眠
    邪魔してんじゃねえよ!!]

うわ

俺様デンチュラかよ

デンチュラは怒るとズルッグに向かって

「エレキボール」をして来た

それによってボルトがズルッグに吐いた糸が

千切れて飛ばされてしまった

飛ばされたズルッグをキャッチして

デンチュラの方を確認すると

「エレキネット」が既に広げられていた

貴「クッ・・・・・・!!!」

ズルッグ[うぅ・・・]

そして「エレキネット」の攻撃が終わると

「ミサイルばり」をして来た

俺は体が痺れる中 避けた

俺に何発か当たったがズルッグには

当たらなかったようだ

よかった

再びデンチュラが「エレキボール」で

攻撃を仕掛けてきたが

ピカチュウが追い返してくれた

アイリス「アオ!」

サトシ「おい ズルッグ!大丈夫か!!?」

ズルッグは俺の腕の中から顔を出して

サトシに返事をした

サトシ「アオは?」

貴「俺は鍛えてるから・・・」

 ははっ

と弱弱しくも笑って見せた

デント「まともにデンチュラの攻撃を
   受けたからなぁ・・・」

アイリス「ズルッグ・・・」

ズルッグが立ち上がって

俺の方に来ようとしたが

よろけて転んでしまった

貴「ボルト ありがとうな」

ボルト[いえ・・・大丈夫ですか?]

貴「まあ・・・紅蓮」

ボルトには自分でボールに戻ってもらい

紅蓮を呼んでしゃがんでもらって倒れる様に

紅蓮の背中に乗って残りの気力だけで

ちゃんとした姿勢で背に乗ると

紅蓮の背中に寝そべった

貴「俺は大丈夫だから・・・・・・
  絶対擬人化するなよ・・・・・・」

耳元で紅蓮だけに聞こえる様に言う

結構前に俺が無茶したせいで

紅蓮が擬人化しそれを見た人間が

研究者だったらしくて

全力で逃げるという事があったせいだ

紅蓮[・・・・・・分かった]

答えるのを渋っていたが

ちゃんと了解したのを聞いて

俺は限界まで保っていた意識を手放した

アオが意識を失ったのが分かり

俺は立ち上がってアオが落ちない様に

歩いてデント達の後ろを付いて行った

ズルッグは痺れが取れないらしく

サトシがデントにPCがあるか聞いたが

無いらしく

アイリスが薬草を探しに行った

アオのポーチの中に入っていたと思うが

ポケモンの姿の俺のこの手では

取ることが出来ない







次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ