日向翔陽は私の双子の弟です

□1 日向と影山
2ページ/21ページ

終わりと始まり


『まさに“小さな巨人”!!』


そうテレビから聞こえてきた頃には私は小学6年生になっていた


隣にはいつも双子の弟である翔陽がいる


元々バレーが好きだった私は小さい頃からバレーをしていた


だからと言って、キャラと関わったことはないけど・・・


なんだかそれはそれで空しい気もする


テレビに再び意識を戻せば“小さな巨人”と呼ばれる


男子生徒がコートの中を駆けまわっていた


そして、さも背中に漆黒の翼が生えてるかのように


―――――――――――――――――――――――

――――――――――――――――

―――――――――――

―――――――


それから約3年と3か月が経った


場所は市民体育館


いよいよ原作に入っていくらしい


と言っても中学生活から入ってるわけなんだけど


コージーとイズミンとか後輩sぐらいしか関わり合いが無いのよ


翔陽「李玖!何やってんだよ!早く行こうよ!」


ボーっとし過ぎたのか翔陽に呼ばれてしまった


駆けて行って翔陽たちと合流して皆で中に入れば


標準よりも小さな私達から見れば


高校生かと見間違うほど身長の高い選手ばかり


掛け声と共にボールが飛び交う様子を見ると


“あぁ、試合会場に来たんだ”と感じてしまうのは


ただ、バレーが好きだからだという事にしておきたい


決して精神年齢的に・・・とかそういうわけではない・・・と思う


翔陽「人がいっぱいだ・・・! 体育館でけえっ・・・!!

   そして――― エアーサロンパスのにおいっ・・・!」


まぁ試合会場独特の匂いだけどさ・・・


泉 「チョット 翔ちゃん緊張しすぎじゃない?」


関向「お上りさんかよ」


翔陽「だ・・・だってちゃんとした大会初めてだから・・・!」


早くアップの場所行きたいんだけど・・・


私が持ってる救急箱ってさ、意外と重いわけよ


だからって年下に持たすほど心根が腐ってるわけじゃないからさ


翔陽「3年目にしてやっと・・・やっと・・・」


少し涙を浮かべて感激している翔陽


だから早くアップの場所行こう?


関向「ホント・・・よく出場まで漕ぎつけたよなァ・・・

   最初は部員一人だったのに・・・」


泉 「だよねー たった一人でよく粘ったよ・・・」


『ねぇ 茶番はいいからアップ取ったら?』


鈴木「あ、李玖先輩が喋った・・・(コソッ」

川島「ホントだ・・・(コソッ」


変なのが聞こえてきたけど まぁいいか


泉 「ホラー キャプテン仕切って!」


関向「そーだよ!俺達急に引っ張られてルールもよくわかんないんだから!」


え?


昨日みっちり教えたのに頭に入ってなかったの?


本気で言ってる?


翔陽「わっ・・・わかってるよっ!!

   やっと出られた大会・・・出るからには・・・勝つぞ・・・!」


前を見据えたようにはっきりと言った翔陽


まぁ原作通りだけど


アニメとはまた違って迫力というか凄みというか


そういうのがあってカッコ良く見えるよ


そのあとは簡単にいってしまえば原作通りってやつですね


あ、一つ違う事があったわ


北一が私達の横通った時に何故か未来のチームメイトに


何故か目を付けられてしまった


何故だろう?


というか・・・・生であの視線貰っちゃったらさ・・・


怖いよ!


鳥肌ものだよ!


そんな風に私が考えてるとは気付かずに


翔陽はお腹を押さえてトイレに行ってしまった


そして時は流れて試合開始の笛(ホイッスル)が鳴った


選手達と一緒にベンチから相手チームである北川第一の監督さんに頭を下げる


今回私は翔陽の頼みでマネージャーとして入ってる


男子のバレーをこんなに近くで見るのは初めてだからか


翔陽の緊張が私に移ったからなのか


すこし興奮気味だ


そういえばこの試合って烏野の先輩達が来てんだよね


そう思って会場を見回せば坊主と黒髪と爽やかの3コンボ発見
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ