青エク オリジナル過去編


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 去年、雪男が祓魔師の認定試験に受かった。

 今年は、僕も受けた。

 合否の結果はまだ、メフィストの手の中だ。

メフィスト「私は、蒼碧が、全ての称号(マイスター)を取るものだと、思っていたのですが。」

『だってさぁ、メフィスト。
 医工騎士は、荷物がかさばって、なんかヤだったんだし。
 あ、でも、知識はちゃんと入ってる!!』

メフィスト「そんな理由でならないとは、さすが私の娘です☆」

『ありがとう、お父さん♪』

 メフィストは、俺を11年間育ててくれた。

 そして、俺はメフィストを父と、メフィストは俺を娘と思い、暮らしてきた。

メフィスト「受けた全ての称号合格です。おめでとう、蒼碧☆」

『ありがとうございます!!』

 メフィストから祓魔師用のコートと、ブローチをもらった。

 ウルフとシャークにも、ブローチと同じデザインのものを付けてあげた。

 ウルフとシャークも、一人前になれたみたいで、嬉しそう♪

メフィスト「あ、あと、貴女の階級は上一級だそうです。素晴らしいですね☆」

『...........はぁ!?上一級!?』

 ウソ....だろ;?

 いきなり過ぎるぞ。

メフィスト「ほら、獅朗のところに報告に行って来なさい。師匠として心配してましたよ。」

『わ、わかった。行って来ます!!』

 送られてきた紙を持って、理事長室を出、藤本さんのいる南十字男子修道院へと向かった。

 電車を乗り継ぎ、南十字男子修道院に着くと、いきなり勢いよく何かが飛び出してきた。

 な、なんだ;?

?「うっせー、クソジジイ!!蹴り飛ばすんじゃねーよ!!」

藤「うるせぇ!!また、ケンカして帰って来たお前が悪い!!」

?「こ、これは...」

藤「あ〜〜、分かったから、さっさと雪男に手当てしてもらえ、燐。」

燐「チッ、分かったよ。」

 燐?

 あれがまだ人間の燐か。

燐「ん?お前誰だ?ここらへんじゃ見ない顔だけど。ジジイに用事か?」

『あぁ。まぁな。』

藤「おぉ!!来たか、蒼碧!!こっち来い!!」

『はい!分かりました。』

 燐とは、まだ接触しない方がいい。

 と判断した蒼碧は、藤本さんの下へと向かった。

藤「今日、結果来たんだろ?早く見してくれ!!」

『構いませんが、藤本さんは聖騎士なのですから、聞けば昨日以前に聞けたのではないのですか?』

 と、言いつつも、紙を手渡す。

藤「いやいや、愛弟子の結果は、愛弟子から直接聞きたいじゃねぇか!!」

 と、返しつつも、紙を受け取る。

 すると藤本さんの目がこれでもかという程開き、眼鏡がずり落ち、口がだらしなく開いた。

『藤本さんも、おかしいと思いませんか?俺がいきなり上一級なんて。』

藤「お、お、お前、なんで......なんで、医工騎士取らなかった!?」

 あれ?

 そっち?

『全部取るのは、なんかやだったんで、あ、あと荷物がかさばるのが嫌だったもので;;』

藤「はぁ;まさか、そんな理由とはな。
  まぁ、上一級か、いきなりってのは凄いが、お前はそんくらい力があるってことだ。あ、それと合格祝いだ。」

 そう言って渡されたのは、チェーンのついた普通より小さなブローチと同じデザインのもの。

藤「そのピアスの先につけたらいい感じになるんじゃないか?」

『わぉ♪ありがとうございます!!』

藤「もう帰るか?」

『いえ、雪男に報告してから、帰らせていただきます。』

藤「おぅ。そうか、じゃあ雪男呼ぶから、少し待っとけ。」

 しばらく待つと、雪男が入ってきた。

雪「蒼碧、どうだったの?」

『雪男!!びっくりするぐらい、凄い結果だったんだ!!ちょい、見てみぃ♪』

 すると雪男の目がこれでもかという程開き、眼鏡がずり落ち、口がだらしなく開いた。

 二人が血は繋がってなくとも親子だと実感したよ。

 うん。

雪「ぼ、僕より階級ずっと上じゃないか!!凄いよ、蒼碧!!」

『ありがと、雪男。雪男は最近どう?』

 その後、しばらくお互いの近況や、世間話をしてから、帰った。

 学園に着くと、家ではなく、職員室に向かった。

 そこには、祓魔師を教えてくれた先生が予想通りいた。

『ネイガウス先生!!』

ネイガウス「Σ!!? ああ、白夜か、普通に入ることはできんのか?はぁ;」

『すみません..; あの!! 試験の結果、出ました!!』

ネイガウス「今日だったか。どうだったんだ?」

 紙を手渡す。

ネイガウス「上一級......だと!?」

「え、あんな子供が?」
「ただ、童顔ってだけじゃ」
「え、間違いでしょ。」

 僕に対しての批判とか、いろいろ聞こえるが、気にしない。

『ネイガウス先生のおかげです。ありがとうございました。
 これからは、同じ階級の先輩として、アドバイス等お願いします!!』

ネイガウス「あぁ。これからも、今まで通り、よろしく頼むぞ。」

『はい♪では、失礼します。』

 職員室を出、家に戻ると、メフィストと2人で使ってた、リビングは、きらびやかなもので埋めつくされてた。

 その後、合格祝いだと言って、いつもより豪華な昼食を食べ、
 午後のために、今朝もらったコートとブローチ、そして藤本さんにもらったものをつける。

 午後からは、合格者集合の様なものに出席し、各階級ごとに分かれて、免許証や心得などの冊子を配られた。

 私が行った、上一級の人達は、私を除くと、下は30歳ぐらいの人しかいなかった。

 まぁ、当たり前か。

 前より長くなったピアスを一撫でし、解散となったその場を後にした。








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