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□知れば知るほど好きになるよ
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***知れば知るほど、好きになるよ



「はッ、ちょ、まじやべ」
「ん、俺も」

普段は負担が少ないからって理由でバックが多いけど、今日は珍しく正常位にしてみた。
久しぶりにこの体勢でヤッてるからか、中村の感じ方がハンパない。
中村の体に負担かかっても別に俺には関係ないし、とはもちろん思わないけどさ、やっぱりイイよ、正常位。
バックんとき、腰に手を添えられるのは安心するけど、二人が繋がってんの丸見えなのは嬉しいけど。
こうやって指を絡ませんのも好きだし、中村の感じてる顔とかチンコとか見れんのも嬉しいもん。

「っ、かがわっ、やべって」

閉じてた中村の目が開いて、じっと俺を見る。

…あ、これイイ…。
なんか頼られてる感にキュンとしちゃうようなそんなかんじ?
ちょっと癖になっちゃうかも。

「いーよ。何回でもイけ」
「じゃなくて、激しっ、…んあぁ!」

中村のお願いも聞かずに、俺は腰を振り続ける。
照れ屋だから、甘い言葉もおねだりも滅多に口にはしないけれど、いまが気持ちよくて仕方ないってことくらい、顔を見ればわかる。

だから、動きは止めてやらない。
中村がどんなふうに狂ったって受け取る自身はたんとあるから。

「ふ、う、あっ」

啼き声がさっきより高くなった。
いつものこと。無意識のうちの声だ。
そろそろイくのかもしれない。

昼は久々に学生時代のメンバーで集まってフットサルしたし、挿入二回目だし、結構疲れてるんだけど、イく寸前ならそんなことも言ってらんねぇ。

だってやっぱ、気持ちよくさせてやらなきゃ男としてダメでしょ。
つか俺もイきそ…。

「あ、もっ、ムリっ」

キレイな声で啼きながら、中村はイッた。
俺もラストスパートでめちゃくちゃ腰うごかして 中村んナカでイッた。
やっぱりこいつの声聞きながらイくの、最高だ。

ゴムがはずれないように気をつけながら、そうっと抜く。
中村のナカから自分のチンコ出すのも、なんかすげぇ淫猥で、結構ドキドキすんだよね。
やりきりましたーって、感じにしぼんだチンコじゃなきゃもっと興奮すんだろうな。

「あ、かがわ…」

甘えるような声で、中村が俺を呼ぶ。

「ん?」

どんなに小さい声だっていい。
中村に名前呼ばれんのは嬉しい。
求められてるって感じがして体がうずうずして、心地がいい。

中村のすぐ横に寝転んで、丁寧に、優しく、包み込むみたいに抱きすくめた。

「…ありがと、すげーきもちよかった」

そう言って頭をぽんぽんとたたたくと、中村はもぞもぞと、動きにくいくせにそれでも動いて、俺の首元に顔を埋めた。

また照れてんな、こいつ。だってほら、返事すらないし。

はじめて無視されたときはさみしかったけど、今はいいんだ。
照れてるけど喜んでくれてはいるって知ってるし、俺が伝えたいから口にしたんだから見返りは求めないことにしたし。

「…のどかわいた」
「水でいい?」
「うん」

じゃあね、ともう一度頭を撫でてからベッドを降りる。

「赤川」
「ん?なんか食う?」
「あの、さ。手つないでたの、…その、嬉しかった。それだけ」

それだけ言うと、布団にぱさりと隠れてしまった。
顔は最初から手で隠していたんだから、どうせ見えていなかったのに。

でも、このどうしようもなく緩んでしまっている俺の顔を見られずにすんだのはよかったのかもしれない。

「うん、俺も、そうしたかったからしたわけだし。じゃ、水とってくるわ」



どうせ恋愛下手だよ、と口をとがらせることがよくあるけれど、まったく、本当にいつまで知らないでいるつもりだろう。

いつまでたっても初々しいその反応も、愛しく感じるひとつなのに。



END

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