BL

□いおえあい1
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口の中にあふれた唾液をごくりと飲み込んで、志摩のそれを上下に扱く。

「ん……圭輔…」
「きもちい?」
「…ん、きもちい…」

さっきまではお湯で濡れててわからなかったけど、それでもようやく目で見てわかるくらいに先端から蜜が零れだしてきた。
それを指先で掬って、口元に運ぶ。
ひとしずくじゃ味はわからないけれど、興奮するには十分甘い蜜。

けいすけ。

ゆっくり名前を呼んで、志摩がまた首元に噛み付いてきた。
けどもうぼうっとした頭じゃそれさえも気持ちよくて。

薄くて、でも広い背中に手を伸ばす。
決して爪痕をつけないように、なめらかに背筋をすべらせてゆく。
痕はつけられないけれど、誰も覚えてはくれないだろうけど、俺だけは、この背中を覚えておくために。

「もっと、痕つけて」

びくん、重なる下腹部で震えたのは俺か志摩か。
唇が胸に降りて、ちゅうっと音を立てて吸い付いていく。
それが気持ちよくって、嬉しくって、痕をつける代わりに何度も志摩の名前を呼んだ。

どこもかしこも触られて、頭はしびれてどうしようもないくらい。

「もうヌルヌル…」

腹を撫でた手がそのまま足の付け根を伝って、後ろへともぐりこむ。
やわらかい肉を分けて、そうっと指が秘部を見つけた。
触れられればたしかにぬるりと濡れている。そこにさらにコンディショナーを塗りつけられる。
ローションとの違いにカラダがきゅっとしまるような感覚。

「…痛い?」
「だいじょーぶ…」

志摩の体をさらに抱き寄せた。
体はぴったり密着して、志摩の吐息が近い。小さな声ひとつ逃さない。

志摩。

何度も名前を呼んで、そのたびに志摩は応えてくれて。
幸せってこういうことなんだなぁ、なんて。

「きもちぃ…」

やさしくナカをほぐされて、ふわふわした熱に頭がしびれる。麻痺してく。
志摩はバカになったみたいにひたすらカワイイって言って、俺の耳も首もぜんぶを舐めていく。

「挿れていい?」
「うん、もういれて」

ずっとやわらかく撫でられた場所はもうとろとろ。
体ぜんぶがふにゃふにゃで、抵抗する力すらのこってない。

右足が志摩の肩に乗って大きく足を広げられる。
こんな明るい場所でぜんぶ見られるのは恥ずかしいけど、いまはなにより、早く志摩と繋がりたくて。

ぬるっと、いつもと違う感覚のまま渉がナカに入ってくる。

「あつい…」

志摩の感想はまったく俺とおなじもの。
いつだってあついけど、いつもよりさらにあつい気がする。

下腹部がきゅうってなって苦しい。
熱くて、重くて、苦しくて。

「志摩、志摩…」

「痛い?」

痛くはない。でもなんか、コワイ。
女の子みたいな言い方だからあんまり好きじゃなくて、口には出せなかった。
だって俺、女の子じゃないもん。
男がスキなだけで、女の子になりたいタイプの人じゃないの。

「もっと、近くにきて。離れちゃやだぁ」

手を伸ばしたら志摩がゆっくり近付いてきてくれた。

「…うん」

奥に奥に入ってきて、そのたびに上半身がくっついてこすれてさらにあつくなっていく。
体についてる水滴ひとつひとつが、この熱で蒸発しちゃうんじゃないかって。
燃えて、溶けて、もしかしたら本当にひとつになれるかも、だなんて。

「は、あ…」
「やっべ…」

右足が肩から下ろされて、両足の膝の裏を持たれて大きく足を開かされる。
恥ずかしいけど、体が密着してくれるからイヤだなんて言わない。

体の中で志摩のカタチがはっきりしてきて、揺さぶられるたびに頭がおかしくなっていく。
お風呂っていうのがよけいにだめなのかも…。
湯気で頭がぼうっとして、明るい場所だから志摩の顔がすぐそばではっきりと見えて、俺の声が、志摩の息遣いが、つながっているところの卑猥な音が、はっきり響いて聞こえてしまう。

「志摩…」

ゆるゆると自分から腰を動かした。
いつもは志摩が俺のことリードしてくれるから。

ゆっくり志摩の顔が近付いてきて唇が重なった。
俺も志摩も、腰は動かしたまんま。
体がくっついてるせいで俺のまで志摩の腹にこすりつけられちゃってほんとヤバイ。

「んっ、うっ、ふっ、ふっ」

時折離れる唇から漏れる息に追い詰められているみたい。
まだしっとり濡れる背中に手を回すけど、指の腹だけじゃほろほろとすべってしまって。
何度も何度も、すがりつくみたいに志摩の背中を撫で続けた。

「は、あ、もうイッちゃう…!」

肩口に唇を押し付けて、はしたない言葉を吐いてしまう。
自分の快感でビクビク震える体をもてあましている隙に、遠慮なくガンガン体を押し付けて、志摩もイッた。






「つっかれたー…」
「…ごめん」
「べつに、いーよ?」

ぐったりした俺の髪を乾かして体を拭いてスウェットまでわざわざ着させてくれて、いまはすっかりやわらかい布団の中。
志摩は制御出来なかった自分を悔やんでいるらしいけれど、俺はなんにも気になんかしてない。
欲情されるのも求められるのも束縛されるのも、俺、大好きだもん。
だってそれって、愛されてるってことでしょう?

「志摩」

「ん?」

近寄ってしがみついたら、片手で抱き寄せておでこにチューしてくれた。

やさしくされるのも、だいすき。

「だいすき」

「…うん、俺もだよ」




END
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