魔法の世界

□譲れないもの
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セシリア・フレッグ。

彼女は今年ホグワーツにはいった1年生。グリフィンドールだ。

入学してから間もなく、彼女の容姿端麗な姿に目を奪われるものは少なくない。

その中でも彼女に好意を抱いているので有名な男子生徒2名。



一人目は、彼女と同じグリフィンドール2年生のハリー・ポッター。

そして、二人目はスリザリン2年生のドラコ・マルフォイ。


このふたりは、毎日のように競い合い、毎日のようにセシリアを奪い合う。





『またぁ?ハリーもドラコもいい加減にしてよ。』



「だってセシリア!マルフォイが先に魔法を仕掛けてきたんだ!」



「ふん!お前がセシリアのことを知ったように話すからだろ!」



「セシリアの名前を口にするな。」



「それはこっちのセリフだ。それ以上にセシリアがお前をファーストネームで呼んでるのも気に入らない。」



「そのセリフそのまま返すよ。」



『もう...ハーマイオニー、ロンどうしよう?』



「さぁ...セシリアが絡むと僕らもハリーを止めるのは難しいからね」



「それに相手がマルフォイだとさらに...ね」



『うーん...』





そんな中でも未だに争っているハリーとドラコ。




「いい加減、諦めたらどうだ?マルフォイ。」



「嫌だね。絶対にセシリアは貰う。」



「渡さないし。」



『なにこのふたりなんでこんなに私のことで喧嘩するの?』



「君、自覚ないの?」



「はぁ。ふたりはあなたのことが好きなのよ?

だから啀み合ってるの。」



「そうさ。よりにもよってお互い敵視してる相手だ。そりゃ熱くもなるよ。
セシリア。告白とかされなかったのかい?」



『告白?そうね…されたようなされなかったような...?』



「曖昧...」



−−−−−



『セシリア!今日こそ返事聞かせてよ!』


「ハリー。なにを?」


『前から言ってるじゃん!僕と付き合って!』


「あぁ、それ...『ポッター』



セシリアとハリーのところにドラコが割行ってきた。



『...マルフォイ』


『そんなに迫るなんて礼儀知らずだな。』



そう言うと、ドラコはセシリアの前に片膝をつきセシリアの手をとりそれに口づけた。



『お嬢さん。よければ、僕とお付き合い願いませんか?』



『うげ...』



「わぁ。すごい。さすが貴族ですね!」




ドラコの貴族ぶりにセシリアは感激するがハリーは顔をしかめた。




『ていうか、セシリアに触るなよ』



ハリーがセシリアからドラコを引き離すとふたりは睨み合った。

そしてまた、呪文が飛び交うのであった。




────




『─って感じで。』



「毎回?」



『うん。

毎回どちらかが割いってくるの』



「セシリアは二人のことをどう思ってるの?」



『え?好きだよ?』




その言葉に言い争いをやめセシリアに注目するハリーとドラコ。




「あー。でも、君の言う"好き"は友達としてだろう?」





『勿論!』といいながら眩しく感じる笑顔を出す。




「はぁ...」



その場にいる全員がため息をついた。




『え?…え?』



「セシリア。この際はっきりさせましょ!」




「そうだ!」




「セシリア!付き合いたいのは僕とポッター。とっちなんだい?!」



「ええ?付き合う…?
私…あの…」




「「どっち!!?」」




ずいっとよってくるハリーとドラコ。




『あの…』



「「どっち!!」」



『近いし…ふたりとも怖いよ?』



「僕らは真剣なんだ」



『それは分かりますケド…』



「セシリア!」



『…あ。セド』



「やぁ。ハリーたちといたのかい?探したよ」



「セドリック。セシリアに何か用?」



「図書館で課題を教える約束をしてたんだよ。待ってても来ないから探しに来たのさ」



『あぁ!忘れてた!ごめんなさい』



「あはは。まあ、いいよ!さ、行こう」




セドリックはセシリアの手を引き歩いていった。




「「セシリア!」」



『あ。ハリー!ドラコ!またね』






「あーぁ。またしばらくハリーとマルフォイの争いは続くだろうね」



「そうね。仕方ないわ。セシリアがあの調子だもの」




ロンとハーマイオニーはため息をつき、再びにらみ合ったハリーとドラコを置いて寮へと戻っていった。






2014-06-29


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