魔法の世界
□変わらない気持ち
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『ルーピン先生!
好きですっ』───
あれから3ヶ月…
セシリアと恋人同士になって3ヶ月目の今日
『リーマス…リーマス!』
「グルル…」
『リーマス…』
今日は綺麗な満月だ。
だけど…僕にとっては最悪な満月だ。
脱狼薬を飲むのが遅すぎたか…
『リーマス……先生?』
セシリア。
セシリアの声がする。
セシリア…逃げて。
でないと、君を傷つけてしまう。
最悪…殺してしまう。
駄目だ。理性を失いかけている。
殺したい…喰いたい…
セシリア…逃げて。
『リーマス…大丈夫だよ』
なぜ、君は逃げない?
なぜ、今もなお僕に笑顔を向けてる?
「グルル…」
セシリア…僕、もう…
君を…
コロシタイ──
バッ
『あっ…くっ…』
「ヴー…
…!」
僕は…いったい…
今頃、薬が効いてきたのか…
人間の姿に戻った自分の腕の中には
多量の血を流し瞼を重く閉じたセシリアの姿
「セシリア…」
バンッ
扉を勢い良く開け、入ってきた人物は今の状況に目を見開く。
「ルーピン…貴様、薬はどうしたっ」
「セブルス…助けて、くれ…」
セブルスは黙って彼女を抱え医務室に連れていった。
僕はしばらくその場から動けなかった。
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