その瞳の奥に

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夜。


 ドンドン
「誰だ!」



小屋をノックすると弓を持ってドアを開けるハグリッドが現れた。



「僕たちだよ!」



とっさに透明マントを脱いだ3人に安堵し中に入るよう促す。

紅茶を注ぐハグリッドは動揺している様で紅茶を零していた。




『ハグリッド、大丈夫?』

「あぁ、大丈夫だ」

『ハーマイオニーのこと、聞いた?』

「聞いたとも」

「僕たち、聞きたいことがあるんだ。秘密の部屋を開けたのが誰か知ってる?」

「ぁ…なぁ、分かってもらいたいんだがな…」



再び扉をノックされハグリッドに透明マントを着るよう言われ
3人は透明マントを被り部屋の隅に行った。

ハグリッドがドアを開けると、そこにいたのはダンブルドアと魔法省大臣ファッジ。



「こんばんわハグリッド。入ってもいいかの?」

「もちろんでさ。さぁ」

「パパのボスだ。コーネリウス・ファッジ。魔法省大臣だ。」



ハグリッドとファッジ、校長が話始めた。



「状況は良くない。マグル生まれが3人もやられたとなれば、魔法省としても何かせねばならん。」

「俺は何もしちゃいねえ!ホントです先生」

「コーネリウス、わしはの。ハグリッドに信頼を置いておる。」

「しかし、アルバス。ハグリッドには不利な過去がある。連行せねばならん。」

「連行…まさかアズカバンの囚獄に?」

「そうする他はない。」



勝手に扉が開き入ってきたのはルシウス・マルフォイ。



「来ていたのかファッジ。」

「なんの用だ」

「私は、校長がここにいると聞いて立ち寄っただけだ。」

「それで、わしに何の用じゃ?」

「私を含め、理事全員があなたの退陣を決定した。
 停職命令だ。12人の理事が全員署名したよ。」



それを受け取るダンブルドア。



「このまま襲撃が続けば、マグル生まれは一人もいなくなりますよ。」

「ダンブルドア先生をやめさせてみろ。それこそマグル生まれの者はおしまいだ!この次はきっと殺しになるぞ」

「落ち着くのじゃハグリッド。
 理事たちが退陣を求めるなら、もちろんわしは退こう。
 しかし、ホグワーツでは助けを求める者がおれば、必ずそれは与えられるのじゃ。」



そういい、ハリーたちにまるで見えてるかのように視線を向けた。

それから、ダンブルドアたちは出ていき、最後にハグリッドが言った。



「もし、何かをみつけたけりゃ、蜘蛛の後を追っかけろ。そうすりゃ、ちゃんと糸口がわかる。
 ま、俺が言いてえのはそれだけだ。
 あぁ、俺がいねえ間、ファングに餌をやってくれ。」



そういい、出ていった。
誰もいなくなった小屋で透明マントを脱ぐ。



「本当だよ。ダンブルドアがいなきゃ、どんどん襲われるぜ」

『…見て』



エイダの目線の先を見ると蜘蛛が列をなしてぞろぞろと外に向かっていた。



「行こう。おいで、ファング」



ファングを連れて小屋から出る。
蜘蛛の列はそのまま森へ向かっていた。



「行こう」

「どこへ!?」

「ハグリッドが言ってただろ?蜘蛛を追えって」

「でも"禁じられた森"の中へ入っていくよ」



そんなロンを無視してハリーが先を行く。



『ロン、行こう』

「なんで蜘蛛なんだよ。蝶々追っかけるんじゃだめなの?」




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