強がりな君

□07
1ページ/2ページ




数日後、リーマスが戻ってきた。




「『失礼します』」



「やぁ。来たね。
本当にやるのかい?これは普通のOWL試験よりもはるかに難しい」



「はい。やります」



「いいだろう。やり方は」



「ダイアンから一通り聞きました」



「よろしい。では、ダイアン。初めにやってもらおうか」




『はい。』



「心配しないで。この中はボガートだから。」




いくよ。と言うと蓋を開け、ディメンターが出てきた。




『…

エクスペクトパトローナム!』




ほわんと青白い光が杖先からでてディメンターは再び箱の中へ閉じ込めた。




「よし!いいぞ!列車で見た時よりはるかに安定もしていて良くなってる。」



『ありがとうございます』




「次、ハリー行こうか。」



「はい。」




「いくよ。」




ガチャ

再びディメンターが出てきてハリーは杖を構え呪文を唱える。




「エクスペクトパトローナム!

エクスペクト…エクスペクト…エクスペクト…」



バタッ


ハリーは列車の時同様倒れてしまい、しばらくして目を覚ました。




『ハリー…ハリー』



「あ…ん…」



「気がついたかい?

大丈夫。初めからできるとは思ってなかったよ。

何を思い浮かべた?」



「初めて箒に乗ったとき」



「力が十分ではなかったみたいだね」




「じゃぁ、別のを。幸福とはいえないかもしれないけど…僕にとっては幸福な思い出です。ちょっと複雑だけど」



「強い気持ちかい?」


「はい」


「…じゃあ、やろう。準備はいいかい?」



「はい」




再びトランクを開けボガートが出てくる。




「…エクスペクトパトローナム!

エクスペクトパトローナム!」




すると、ハリーの杖から青白い光が出て、ディメンターをトランクに押し戻した。




「いいぞ!ハリー、よくやった!」



『ハリー!すごい!』



「僕もう、今日はぐったりです…」



「あぁ。ふたりとも食べなさい。元気になる」



ハリーとダイアンはリーマスからチョコレートをもらい階段に座った。



「しかし、君たちの力はお父さん顔負けだよ」



『先生。父をご存知なんですか?』



「あぁ…私が学生だった時の先輩でね。とても親しくさせてもらってたよ。
彼はスリザリン生ながら僕たちグリフィンドール生にも優しくしてくれててね。どの寮からも好かれてた。ハリーの両親からも慕われて憧れの的だったよ。」




そんなリーマスの話に頬を緩めたダイアンとハリー。



『父からは友人関係の話は聞いたことないんです。父の家系は代々スリザリンだから、嫌われてたんじゃないかなって思ってました』



「そんなことはない。嫌ってる者はいなかったよ。まあ、他の寮生徒と仲良くしてることを気に入らないスリザリン生は数人いたようだが。」














次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ